中国メディア・一財網は4日、「中国国産アニメキャラクターの『美猴王』」が、日本のモンチッチに完全勝利した」との記事を掲載した。いったい、何のことなのか。(イメージ写真提供:123RF)

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 中国メディア・一財網は4日、「中国の国産アニメキャラクターの『美猴王』(孫悟空)が、日本のモンチッチに完全勝利した」との記事を掲載した。果たして、何のことなのか。

 その答えは、中国国内で最近ファストフード企業とコラボレーションしたキャラクターどうしの対決だ。記事は、中国のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)が先日、上海のプロダクションと協力して「美猴王」のマスコット付きセットを発売したところ、「すでに上海ではみな売り切れてしまった」と紹介。プロダクションが「KFCとのコラボで大成功した。キャラクターグッズの売り上げが10倍になった」と語ったことを伝えた。

 その一方で、「注目に値すること」として、KFCのライバルであるマクドナルドも先日、同じく今年の干支であるサルにちなんで日本生まれの「モンチッチ」とコラボレーションを企画、グッズ開発したと紹介。両者のサルキャラを巡る「戦い」について、「市場の反応から見て、今回は国産アニメが日本のキャラクターに完全勝利した」と評した。

 マンガやアニメをはじめとする中国のソフトパワー発展が声高に叫ばれるなか、国産キャラクターが大手ファストフードチェーンとの協力で高い人気を博したことへの喜びを感じる記事の内容である。モンチッチとの「戦い」についても、具体的なデータが示されているわけではなく、あくまで記者の主観による「完全勝利」の域を出ないことは、注意すべきだろう。

 ともあれ、今回の試みによって中国オリジナルの文化コンテンツが「IP(知的財産)産業」発展の可能性を見出したことに変わりはなさそうである。モンチッチはすでに40年以上の歴史を持ち、各地で名前こそ異なれ欧米での知名度も高い。「ホームグラウンド」で一定の手ごたえをつかんだ「美猴王」も、世界的に有名なキャラクターに成長するだろうか。(編集担当:今関忠馬)(イメージ写真提供:123RF)