今日から開幕するプロ野球のクライマックスシリーズ(以下CS)。14時からは東京ドームで巨人-阪神の一戦が行なわれる。

 普段の戦いと違う点として挙げられるのが、CSではセ・リーグに限り、予告先発制度を採用していないということ。対戦相手もファンも、直前のメンバー発表まで誰が先発してくるのかが分からないという状態での戦いとなる。

 これを使わない手はない、と考えたのは巨人の原辰徳監督。シーズン中ではなかなか見られないような厳戒態勢で、練習中の選手との接触を禁止とすると、先発が予想される菅野智之とマイコラスには全く同じ内容の練習を指示し、同時刻に引き上げさせるといった徹底ぶり。新聞などには“有力視”や“濃厚”という文字が並ぶに留まり、どちらが来るのかは当日まで分からないという状態を作った。

 しかし、13時前ごろからネット上では「マイコラスで確定」の情報が流れだした。原因を探ってみると、たどり着いたのは“Twitter”であった。

 東京ドームが開場し、ファンが場内へと入り始めてしばらくした頃、Twitter上を賑わわせた話題が“美人すぎる”で話題になったマイコラスの夫人・ローレンさんの目撃情報。ローレンさんがバックネット裏の座席につくと、写真やサインを求めるファンや、気がついた報道陣も一気に集結。周囲は一時騒然となったという。

 この話題はネット上でも大きな盛り上がりを見せ、

「隠してた意味が!」

「嫁の登場で先発が分かる新システム」

「いや、これすらも原監督の策なのかも...?」

「これも幻惑作戦」

 などといった声が挙がった。

 結局、その後しばらくするとメンバーが発表となり、巨人の先発はマイコラスということが判明。一部で囁かれた選手の夫人も巻き込んでの先発隠し、という説は破られた。

 いまや誰もがかんたんに情報を発信することができ、それが瞬く間に拡散されて多くの人々へと届く時代となったが、その恐ろしさ(?)を改めて痛感する大一番前の出来事であった。