いきなりですが、ぼくがこの『南国トムソーヤ』というマンガで、いっちばん好きな会話のやりとりを最初に抜き出してみます。それを見てもらうのが、この作品が持っている独特の機微を見てもらうのに一番だからです。東京から、南の果ての羽照那島にやってきた少年チハルが、島の無口な少年リンドウと、学校で飼っていたヤギを食べるために解体する前の会話のシーン。チハル「でも名前で読んだりして、情とか移らない?かわいくな