交通検証人がYouTubeチャンネル「交通系検証チャンネル」にて、「特急ロマンスカーが『1ミリも先へ進めない』箱根湯本駅に隠された地形と路線のカラクリ」と題した動画を公開した。新宿から直通する特急ロマンスカーが箱根湯本駅で終点となる物理的な理由と、その背景にある歴史的経緯を解説している。

ロマンスカーが箱根湯本駅から先へ進めない最大の理由は、物理的な「レールの幅」の違いにある。小田急線はJR在来線と同じ1067mmの軌間だが、箱根湯本から強羅へと向かう箱根登山鉄道は、新幹線と同じ1435mmを採用している。この違いが生じた要因として、交通検証人は箱根の過酷な地形を挙げる。80パーミルという急勾配を登り切るためには、車両の床下に巨大で強力なモーターを積む必要があったが、1067mmの幅では「物理的に収まりきらなかった」と説明。モーターのスペースを確保するため、やむを得ず広いレール幅が採用されたのだ。

さらに解説は、小田急が強引に箱根湯本まで乗り入れた背景にあった「箱根山戦争」へ及ぶ。当時、箱根の観光利権を巡って西武グループと東急・小田急連合が激しく対立しており、小田急はどうしても箱根の玄関口である箱根湯本まで直通させる必要があった。そこで、異なるレール幅の車両が走れるように、レールを3本敷いた「3線軌条」が小田原から箱根湯本まで整備された。現在、この3線軌条は入生田駅から箱根湯本駅までのわずか1.9kmにしか残っていない。その理由は、入生田駅に箱根登山鉄道の車両基地があり、そこへ回送するためだという。

単なる終着駅に見える箱根湯本駅だが、その足元には険しい自然に挑んだ技術者たちの工夫と、観光地を巡る企業間の壮絶な歴史ドラマが刻まれている。何気なく利用する路線のカラクリを知ることで、鉄道の奥深い魅力を実感できる内容となっている。

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