警視庁刑事で治安戦略アナリストの小比類巻文隆氏が、自身のYouTubeチャンネルで「7歳児を富士山6合目に置き去り。「8時間待ってろ」親の保護責任や事件性は?元警視庁刑事が解説」を公開した。動画では、富士山で発生した7歳男児の置き去り事件を取り上げ、親の危機管理能力の欠如と法的責任について強く非難している。

事案の舞台となったのは、8月20日の富士山・富士宮ルート6合目(標高約2500メートル)付近。48歳の父親が「疲れた」と訴える7歳の次男に対し、「8時間ぐらいここにいろ」と言い残して長男と登山を継続した。小比類巻氏は、男児の訴えを単なる「ぐずり」と捉えた父親の認識の甘さを指摘。「子どもは高山病の症状をうまく言葉で表現できず、ぐずるという形で現れることがある」と山岳医の意見を引き合いに出し、体温低下などのリスクを考慮しないのは極めて危険だと説明した。

さらに、登山家の野口健氏らの言葉を引用しつつ、「一番弱い人に合わせて登るのが基本」であり、子どもを置き去りにして登山を続けることは「絶対にNGな行為だ」と断じた。また、過去に温泉施設で目を離した数分の間に5歳児が亡くなった死亡事故を例に挙げ、「起きるかもしれない危険を大人が先に想像して、その可能性を取り除くことが危機管理だ」と、子どもの安全を最優先しない保護者の姿勢に警鐘を鳴らした。

終盤では、フリップを用いて「刑法第218条 保護責任者遺棄等罪」について解説。小比類巻氏は、警察が処罰法令に触れる恐れを指摘していることに触れ、「それだけ危険性の高い行為として捉えられていたということだ」と見解を述べた。最後は、子どもを危険な環境に置くことへの懸念とともに、親としての最低限の責任と安全管理の徹底を強く訴えかけて動画を締めくくった。

チャンネル情報

元警視庁刑事・国際捜査官。1993~2023年警視庁。爆弾処理班配属後、警視庁中国語通訳を経て国際捜査官に。以降、国内外の銃器・薬物犯罪の情報収集、秘匿捜査に従事する。ほか殺人、強盗、誘拐事件などあらゆる捜査に参加。退官後、30年に及ぶ警察人生の知見を世の中へ貢献すべく治安戦略アナリストとして活動中。