昔、父に連れられて、鎌倉などの工芸職人さんたちのところに、よく遊びに行った。父が民芸品の研究もやっていたので、仕事のあいまの伝統と革新の茶飲み談義をいっしょに聞かせてもらった。やたら饒舌な山下なんとかが「アルチザン」なんて自称していたが、無口な工芸職人は、そういうポップカルチャーとは対極的だ。なにしろ絶対的な一点物。本人だって、これ、というような納得できるモノなんか二度とできない。