「おいしいね」と言い合うとき、幸福だけがそこにある食べたいものがありすぎる。わたしは毎晩ソファに横たわって、ほぼアザラシみたいな体勢で、それに反比例した働き者の指先がせっせとおいしいお店をリサーチする。わたしのSNSはアルゴリズムにより「食」と「旅」の情報ばかりが流れてくる。毎日チェックしているのに、新たな店の情報ばかりが出現する東京という街が恐ろしい。どれだけおいしいものがあるんだろう。これじゃ死