この「気球凧」を使えばドローンを超える空撮も可能!?

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ドローンによる空撮は魅力的だが、一般ユーザーにとってはちょっとハードルが高いかもしれない。複雑なクアッドコプターのプロペラやモーター、リチウムイオン電池や充電器、周波数やコントロール機器などの知識が必要だからだ。

いや、そこも含めて楽しいのだろうとは思うが、このアイテムのセールスポイントは、もっと簡単に、特別なスキルを必要とせずに空撮ができるという点だ。

特殊な軽飛行船で空撮が容易になる

イギリスのALLSOPP HELIKITES社の『Helikite』というアイテムだ。ヘリウム気球と凧を合体させたような軽飛行船で、通常の気球よりもコントロールがきき、凧やドローンよりも安定している。

この軽飛行船の特徴のひとつに、同じ形のまま様々なサイズが作れるという点がある。たとえば、軍の部隊が緊急時に自分たちの居場所を知らせるために揚げる0.4立方メートルの小さなものから、対艦ミサイルを追跡するためのセンサーを揚げる100立方メートルのものまで、用途に応じて使いわけることができるのだ。

そのなかで、空撮用のモデルは『Skyshot Helikite』という名称で販売される。パンとチルトの調整が可能な一脚を備えたスタンダードタイプ、気球の周囲に3〜6個のGoProアクションカムを搭載できる“アクションカム”タイプ。そして、無線でパン/チルトが操作できるジンバルも用意される。

この『Skyshot Helikite』のメリットは、まず悪天候に強いことだ。かなりの強風でも使うことができるようなので、当日の天候によるスケジュール変更も少なくなる。これはビジネスユースには非常にありがたい。また、なにせ気球なのでドローンなどに比べれば圧倒的に墜落しにくい。

ヘリウムガスはものの1分で充填することができ、そうすれば自力で百数十メートルまであっというまに上昇していくので、楽だし早い。風のなかでも通常の気球や凧よりずっと姿勢が安定しているのも特徴で、クオリティの高い画像が得られやすい。静かだという利点もある。

課題はランニングコストか

価格は小型のもので450ドルから。大型のものは1,270ドルからになる。

スタンダードタイプの大型のものには、一眼レフカメラの搭載も可能だ。ドローンのような操縦スキルは必要ないため、扱いは容易で、素人でも数分で飛ばし方を覚えることができるという。

本体は安いが、やや問題なのはランニングコストだ。特に大きなサイズのモデルを使う場合は、その都度それなりの量のヘリウムガスを使用するのでランニングコストがかかってしまう。

ただ、小さいモデルならば膨らんだ状態で乗用車の荷室にも乗るサイズなので、ガスを抜かずに保管することも可能だ。そうすれば、1フライトあたりのコストは1セント以下に抑えられるという。そうすれば非常に安価に空撮ができる手段なのだ。

マルチコプター・ドローンほどの機動性はなさそうなので、ダイナミックな動画を撮るのには適していないかもしれない。しかし、安定性や飛行時間などの面から、定点撮影のような用途ではドローンより便利ではないだろうか。

趣味的な用途だけでなく、各種調査や測量、また不動産の広告のための撮影にも向いているようだ。日本の場合、電線が多いので、揚げられる場所は限られるかもしれないが、ドローンとはまた違う、ひとつの選択肢としてアリかもしれない。

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【参照・画像】

※ Helikite - ALLSOPP HELIKITES