コンセント不足を解消する救世主「複数スマホ対応USB充電器」の落とし穴「あれ充電できてない」のワケ

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スマホやタブレットの普及で、家族で1台ずつスマホを持っている、ひとりで2台以上のスマホやタブレットを使っている、などというケースも急速に増えてきた。

通常、スマホやタブレットに付属する充電器は、コンセント1つに対して1つのスマホやタブレットしか充電できない。もし、4人家族のスマホ4台を同時に充電しようとすれば、コンセントは4つ必要になる。

しかし、そこで問題なのは、「空きコンセントが足りない」ということだ。」
スマホ時代の隠れた大問題、コンセント不足を解決する最終兵器が「複数ポート充電器」だ。

しかし、4台の端末があるから、4ポートの充電器を購入すればいい。かというと、そう簡単ではない。

■複数充電器の謎 一緒に充電したのに充電できてないスマホがある?
4ポートの充電器に4台のスマホを繋げて充電したのだけど、充電できていないスアホがあった。なんていうケースが、実は、結構ある。

この原因は、充電器が流せる電流の大きさ(A:アンペア)不足によって起きる。
特に、スマホに加えてiPadなどのタブレットを同時に充電しようとすると、こうしたことが起きるケースが高い。

■最大アンペアと1ポートごとのアンペアの関係
たとえば、
スマホの場合、バッテリーは1800〜2500mAhといった程度の容量が多い。
電圧は5V、電流は1Aの充電器で充電できる。

これが、iPadなどだと、バッテリーは10000mAhを超える。
電圧は5V、電流は2.4Aの充電器が必要になる。

今回は、「各ポート出力最大2.4A」「合計出力最大4.8A 」という「4ポート USB充電器」を例に考えてみよう。


4ポート最大4.8A充電器


この製品は、各ポートで最大2.4A出力が可能なので、iPadシリーズでも余裕で充電できる。しかし、iPadを同時に2台接続してしまうと、下記のように、限度一杯となり、ほかのポートでは充電できなくなってしまう。

iPad Air(2.4A)とiPad3(2.1A)を充電すると

2.4+2.1=4.5(A)が充電に必要となり
4.8-4.5=0.3(A)が残る。

残りの0.3A出力では、スマホを十分に充電できないということになる。


タブレット2台の充電で4.5A、残りわずか0.3A


これが、1Aで充電できるスマホ4台の場合は、全4ポートにスマホを接続しても

1+1+1+1=4(A)
4.8-4=0.8(A)

と、最大4.8Aを下回るので余裕で4台とも充電できる。

この計算は、当然モバイルバッテリーでも当てはまる。
スマホとタブレットの両方を持ち歩いているようなケースでは、1ポート最大2.1A出力のモバイルバッテリーは必須だ。

これがスマホ2台持ちの場合なら、1A出力のモバイルバッテリーで十分に間に合う。

このように充電器は、全ポートの最大アンペア(出力)がいくつなのかが非常に重要なのだ。自分や家族が使っているスマホやタブレットの充電器の出力合計は、何アンペアになるのかは、しっかり調べておこう。

ちなみに、充電器の出力(アンペア)が充電するスマホの合計より下回っているのに充電できないケースは、USBケーブルや充電器に原因であることが多い。また、特定のポートだけが充電できないという場合は、充電器側に故障などの問題がある可能性が高いということも覚えておくといいだろう。


小川夏樹(ITライフハック副編集長)