iPhoneユーザーがAndroid端末の「ここがうらやましい!」と思うポイントのひとつに、「端末が防水対応している」という点があると思います。初代iPhoneが発売されてから早くも7年が経過しましたが、いっこうにiPhoneが防水仕様になる気配はないので、簡単にスマートフォンやタブレットに防水加工を施してくれるという「modcrew」にてiPhoneを防水加工し、実際に水濡れしても大丈夫なのかを確かめてみました。

modcrew™(モディクルー)でiPhoneを防水加工・修理|防水加工・ガラス割れ・傷・破損

http://modcrew.jp/

modcrewの防水加工は、実際に店舗に行かなくてもウェブ上から申込みをし、端末を郵送することで加工してもらうことができます。ウェブ上から防水加工の申込みを行うには、以下のページから規約に同意して必要な情報を入力する必要アリ。

modcrew™(モディクルー)でiPhoneをすぐ修理・すぐカスタマイズ!|防水加工・ガラス割れ・傷・破損



しかし、普段使用しているiPhoneが防水加工のために数日間手元を離れてしまうのは、少し困るという人も多いはず。そんなわけで、今回は16時までに受付を済ませれば、当日に防水加工してもらいそのまま端末を持ち帰ることができるという、modcrewの名古屋店まで行って防水加工してもらうことにしました。

今回防水加工してもらうのは、このiPhone 5。約2年間ガッツリ使い倒した端末なので、大きな傷こそないものの、端末には無数の細かい傷がつきまくっています。



背面には水が入り込みそうな隙間はあまり見当たりません。



底面にはイヤホンジャックやマイク・スピーカーなどの小さな穴がたくさん空いているので、このあたりから水が浸入してきそうな印象。



また、右側面にはSIMカードスロットがあるので、ここから端末内に水が入ってきそう。



というわけで、防水加工してもらう端末も決まったところで実際にmodcrew名古屋店に行ってみることに。場所はココ。

modcrew名古屋店の外観はこんな感じ。



お店の前には防水加工を宣伝する看板が立っているのでこれが目印になります。



防水加工をお願いする際は、店舗内のカウンターで「防水加工したいんですが」と店員さんに伝えればOK。実際に防水加工をしてもらうには、まずは加工時の注意事項が書かれた規約同意書にサインする必要があります。これはウェブ上から防水加工を申込みする際に表示されるものとおおむね同じもので、簡単にいうと「データについては保証しない」「防水加工はあくまで生活防水を可能にするものであり、水没はNG」といった内容のもの。特に、「防水加工はあくまで生活防水を可能にするものであり、水没はNG」という点については店員さんからも口頭で説明があるので、水の中に沈めてしまうような端末の使用方法は加工前から諦めておいた方が良さそうです。

防水加工についてはこのタイミングで気になる点をジャンジャン店員さんに質問しまくればOKなわけですが、肝心の防水加工の仕組みについては企業秘密とのこと。あくまで生活防水なので、日常の不意に起きる水難(水の飛まつ等)に対する備えであり、防水加工していないものよりも水没に強い、くらいのニュアンスで考えておけばOKとのこと。他にもサイト上の説明などを読む限りは、防水加工自体は衝撃や擦れなどで徐々に効力が弱まってしまうそうで、一年に一回加工し直すことが推奨されていました。なお、防水加工を行うと端末のAppleCareなどの保証はなくなるとのことなので、故障・水没・落下などが怖い場合は「modcrew SEALLDz CARE」という保証サービスに入ると良さそうです。

これは防水加工の手続き中に見せてもらうことができるデモ映像。防水加工したiPhoneに水をかけており、「これくらいの水濡れならば平気ですよ」というのを示してくれています。



というわけで、防水加工の受付が済んだのが14時ちょっと前の時間帯。ここから約2時間で防水加工が完了するとのことですが、加工時間はその日その日の店舗の混み具合によってまちまちなので2時間で必ず加工が終わるというわけではありません。なお、加工が終了したら電話をかけてもらうこともできるので、それまでは気長にブラブラ時間を潰しておけばOKというわけ。



そんなわけで無事加工が終了して戻ってきたiPhone 5がコレで、加工済みの端末はこんな袋に入って戻ってきます。なお、今回防水加工にかかった時間は2時間30分程度でした。



その場で端末のチェックを行い、動作に問題がなければそのまま持ち帰ってしまってOK。



というわけで返ってきたiPhone 5がコレ。見た目は特に変化なし。



背面はこんなで、「触り心地が変化したような……」と思ったのでGIGAZINE編集部にあるiPhone 5と肌触りを比べてみたのですが、全く違いは分からず。



天面や底面の細かい傷もそのまま残っています。





ディスプレイにはしっかり指紋がつき、光もキラリと反射します。



あまりに見た目が変わっていないので、「防水加工したんだし、重量は多少変化しているだろう……」ということで重さを測ってみることにしました。これは防水加工していないiPhone 5、重さは112gです。



対する防水加工したiPhone 5の重さも112g。



と、いろいろ見まくってみたはいいものの、防水加工前と後で何か変化が起きているのかどうかはほとんど分からない、というかまったく分かりません。そこで、もう一度modcrewの防水加工の仕組みについてよく読んでみたのですが、「『modcrewの防水加工サービス』は防水ケースやメカニカルシールを使用せず、端末内外にナノレベルの被膜を形成させることで、急な水の事故(アクシデント)からあなたの端末を守り保護します。テフロンに似た性質を含む物質の蒸気をプラズマ分解させ、ナノレベルに分解された物質が被膜を形成し、端末内外の重要な部分を覆い、水の侵入を防ぎます」とのことで、「つまり…どういうことだってばよ?」状態。

もしかすると驚くほど水をはじきまくる次世代防水スプレー「NeverWet」のように、iPhoneが水をはじきまくるようになっているのかもしれない。ということで、まずはiPhone 5に水滴を垂らして撥水性があがったのかチェックしてみることにしました。

まずは防水加工していない方のiPhone 5に水滴を垂らして、端末に水がつくとどうなるのかを見てみると、こんな風になりました。



続いて防水加工をした端末の上に水をポトリと落としてみたのですが、防水加工した端末でも水をはじくことはなく、通常の端末と同じように若干の水が付着したままになりました。



見た目には何の変化もなく、撥水性も変わらない様子なので、「もはや思い切って水をかけて確かめるしかない……」という状況にまで追い詰められてしまったので、思い切ってiPhone 5に水をかけまくってみることにしました。実際にmodcrewで防水加工したiPhoneに水をかけまくってみた様子は以下のムービーで見られます。

modcrewで防水加工したiPhoneに水をかけまくってみた - YouTube

そんなわけで思い切って水をブシャーとかけまくります。



ムービー以外でも何度も水をかけまくり、iPhoneiPhoneを持つ手も冷え冷えになっていったのですが、それでも端末が動作しなくなる、ということはありませんでした。



水で濡らしたあとはこんな感じで細かい水滴が端末に付着しまくります。modcrewの店員さんいわく、「特にスピーカーなどのメッシュ部分が水に弱い」とのことなので、水濡れしてしまったあとはさっと一拭きしてあげると良さそうです。



◆結論

防水加工前と後で、iPhone 5の見た目や肌触りには何の変化もありませんでしたが、いろいろな方法で水をかけてみてもiPhone 5は動作しており、防水加工した成果はしっかり出ているようです。小雨の中での使用やお風呂の中での使用程度ならばしっかり端末を守ってくれており、防水加工の値段が税込で6980円であることを考えれば、防水加工する価値はアリだと思います。ただし、modcrewはあくまで「生活防水」であることを強調しているので、水没させたり水をかけたりといったことは避け、「普通のiPhoneよりも水濡れに強い」程度の認識で扱うと端末を壊すことなく防水加工の恩恵を受けられることになりそうです。

なお、modcrewの防水加工料金はディスプレイサイズが5インチ以下のものは税込6980円、5.1インチ〜7インチまでの端末は税込7980円となっており、iPhone 6/6 Plusについては現在検証中とのことで、今のところは防水加工してもらうことができません。