By Victor

仕事や勉強中にどうしても眠たくなったときに、仮眠をとったり、コーヒーといったカフェインを含む飲み物を飲んだりすることがありますが、仮眠とコーヒーよりも急な眠気にピッタリな「コーヒーナップ」をする人はあまりいません。IT系メディアのVoxが知られざるコーヒーナップの全貌を公開しています。

Scientists agree: Coffee naps are better than coffee or naps alone - Vox

http://www.vox.com/2014/8/28/6074177/coffee-naps-caffeine-science

コーヒーナップの効果を理解するには、コーヒーに含まれるカフェインの覚醒効果の仕組みを知っておく必要があります。体を動かしたりしてエネルギーを消費すると、脳内のアデノシンとアデノシン受容体という2つの物質がくっついて、脳の働きが遅くなります。脳の働きが遅くなると疲労を感じたり、眠たくなったりします。

しかしカフェインを摂取すると、カフェインがアデノシン受容体とくっつくので、脳ではアデノシンがくっつく相手を失って行き場をなくしてしまいます。この状態を、脳は「アデノシンが余っているので、エネルギーも余っているのだろう」と錯覚。さらに、グルコース・ドーパミン・グルタミン酸など神経の運動を活発にさせる物質がいつも以上に働き出すので、覚醒状態に入るというわけです。



By Amanda G

カフェインとは異なり、睡眠には脳からアデノシンを除去する作用があります。このおかげで、ある程度の睡眠を取るとアデノシンの数が減って疲労が回復したり、眠気がなくなったりします。ただし、20分以上の睡眠を取ると、残眠感があり寝覚めがよくない状態の「睡眠慣性」という現象が発生してしまいます。

そこで、睡眠カフェインを合わせるという考えが出てきます。カフェインは吸収されるのに約20分かかるので、コーヒーを飲んですぐに仮眠に入り20分後に起きると、睡眠によってアデノシンの数が減った状態になるので、カフェインが通常よりも早くアデノシン受容体とくっつくことができ、即座に覚醒状態に突入することができます。これが「コーヒーナップ」です。

コーヒーナップの効果は理屈だけではなく、きちんと科学的に証明されています。イギリスのラフバラー大学では、被験者に15分のコーヒーナップをしてもらい、ドライビングシミュレーターをプレイさせるという実験が行われました。その結果、コーヒーナップをとった被験者は、コーヒーもしくは仮眠のどちらか一方だけをとった被験者よりもミスが少なかったことが判明。日本の広島大学でもコーヒーナップの後に記憶力テストを行うという実験が行われ、コーヒーナップをとった被験者は、コーヒーと仮眠の一方だけをとった被験者よりもいい点数を記録しました。



By Greg Hirson

理論的にも科学的にも効果が証明されているコーヒーナップの方法は、コーヒーもしくはカフェイン入りのドリンクを一気に飲んでからすぐに昼寝をするだけ。一気飲みするには、冷たいアイスコーヒーや少量のエスプレッソがベストです。