「脳波で操作するロボット」を自作できるキット

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安価なオープンソースのBCI(brain-computer interface)である「OpenBCI」を使ったさまざまなプロジェクトが進行している。そのひとつ「脳で操作するロボット」を動画で紹介。

「脳で操作するロボット」は、結構安くつくれることがわかった。チップ・オーデットが、500ドル以下の装置とノートPCをつなぎ、小さなカスタムソフトウェアのコードを書くことで、脳で操作するロボットを製作したのだ。

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オーデット氏が自作の「Hexbug Spider」を紹介する冒頭の動画では、デスク上に置かれたコンピューター画面がふたつに分割され、周波数が異なる点滅が表示されている。オーデット氏が左の点滅画像を見るとHexbug Spiderは左を向き、右の点滅画像を見ると右を向く。同氏が目を閉じると前進する。

コンピューターは同氏の脳波データを分析しており、同氏がどちらの四角を見ているのか、あるいは目を閉じているのか(アルファ波が優勢になる)を判断する。

このロボットの製作には、DIYでものづくりをする人たちを対象としたオープンソースによるBCI(brain-computer interface)プロジェクト「OpenBCI」が活用されている。


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科学研究などで使われる脳波を読み取る装置は高価なものだが、「Emotiv」(日本語版記事)などの低価格な機器のおかげで、「脳ハッキング」がいま小さなブームになっている。OpenBCIは、この分野におけるオープンソースのプレイヤーを目指している。

OpenBCIのキットには、独自の小型コンピューターとセンサーが付属している。脳波を検出するヘルメット型の黒い装置「Spider Claw 3000」については、3Dプリンターで自作する。脳波は複数箇所で計測し、その全体をリアルタイムでモニターできる。

OpenBCIは、支援サイト「Kickstarter」で、目標10万ドルのところ、21万ドルを集めて2014年1月23日に終了した。OenBCIのキットは、Kickstarterで事前販売された600台の出荷が今年9月から始まるが、オーデット氏は試作品を試すことができた幸運な人たちのひとりだ。

OpenBCIを利用したハッキングには、たとえば、ALSの患者が脳波を使って芸術作品を作成できるように設計された「Brainwriter」がある。またベイエリアでは、認識テクノロジストを自称するグループが、OpenBCIのツールキットと、脳の信号をインターネットにアップロードするコードとを融合させている。クラウドコンピューティングを使うことで、計算能力を上げて脳波のリアルタイム分析にあてるというわけだ。

OpenBCIのウェブサイトでは、400〜800ドルでキットが販売されている。

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