その他の今夏の移籍を振り返ると、そこまでインパクトのある取引はなかったよね。それなりに動きはあったと思うけど、僕がいつも言っているように、Jリーグの移籍はまさに「回転寿司」のようなもの。6月にまとまった話だけど、レイソルのレアンドロ・ドミンゲスがグランパスに移籍した話にしたって、特に目新しさはない。
 
 近年、助っ人の補強に関してはこうした事例が顕著だ。レイソルが栃木からエドゥアルドを獲得したように、流れている「ネタ」は代わり映えせず、それをどのクラブが獲るかだけの話。F・マリノスのラフィーニャ? ガンバのパトリック? アントラーズのジョルジ・ワグネル? ヴォルティスのアドリアーノ? どれもどこかで聞いたことのある名前ばかり。新鮮さがないよね。
 
 そんななかでも、セレッソは元ドイツ代表のカカウを獲得したけど、現役ウルグアイ代表のフォルラン獲りに成功した時ほどのインパクトはない。ピークを過ぎている33歳のFWに、多くを期待していいものかな。様々な面において、バーゼルに放出した柿谷の穴を埋められる人材なのか、はなはだ疑問だね。
 
「大物獲り」なんて言われ方もされているけど、チームの戦力値としては、全然足し算になっていない。柿谷がいて、カカウを呼ぶならまだ分かるけど、言うなれば、プラスマイナスゼロ、下手をすればマイナスのままかもしれない。
 
 コロンビア代表のハメス・ロドリゲスを獲得したレアル・マドリーのようにとは言わないまでも、各クラブにはもう少し努力してほしいよ。

【Jリーグ移籍】2014年夏に新天地を求めた選手たち|外国籍プレーヤー編
 日本代表の新監督に就任したアギーレが、さっそくJリーグを視察したようだけど、また「マンネリ化した4年間」が始まったと言えるだろうね。体制的に変わっても、現時点では、何か新しいことがスタートしたような気分にはどうしてもなれない。就任会見を見てもどこか予定調和で、国会答弁を聞いているような感じだったね。
 
「日本に来られてすごく嬉しい」とか「全力で立ち向かうチームを作りたい」とか、言っていることは別に普通だよ。メディアは「4-3-3」という数字を取り上げているけど、それにどれほどのニュース性があるのか。約束という意味の「コンプロミソ」という言葉が話題になっているのも不思議でしょうがない。
 
 具体的になにを約束してくれたのか、今ひとつピンとこなかったね。「守備に力を入れる」とも言っていたけど、本当にそのつもりなら、アギーレの仕事は大変な作業になると思うよ。彼が望むようなプレーができる日本人選手が、果たして何人いることか。もしそんな選手がいたのなら、ブラジル・ワールドカップでもピッチに立っていたはずだから。
 
 アギーレが一流の手品師であることを祈るばかりだけど、彼にはメキシコ代表での実績があっても、ブラジル・ワールドカップで指揮を執っていたわけではない。つまり、メキシコ代表からすれば、アギーレの存在をすでに認めていないとも言えるんだ。それでも、会見場には多くの報道陣が集まっていた。なんだか4年前にも見た光景だよ。
 
 日本代表を取り巻く環境は、相変わらず変わっていない。ブラジルではグループリーグも突破できず、あれだけ惨めな戦いを見せたけど、代表戦はまた満員御礼になるんだろうね。これでは、選手たちも反省できないんじゃないかな。新監督の下でリスタートを切る以上、期待されているのは分かるけど、僕が心配しているのは、「軸」のないチームがどうやって立ち直っていくのか。
 
 はっきり言って、今の日本代表で軸となれる選手はいないんだ。本田? 香川? 僕からすれば、所属クラブでも苦戦している彼らへの絶対的な信頼など一切ない。なかでも、ワールドカップで敗退後、代表チームと一緒に帰国しなかった本田が今後も代表の軸になるなんて、僕のなかでは絶対にあり得ない。彼の行動には絶望したと言ってもいいし、期待なんてできないよ。
 
 とにかく、ワールドカップの前にピークを迎えて、ブラジルの地であっけなく崩壊してしまった日本代表に、今現在、何が残されているのかを精査しなければいけない。アギーレ新監督も、そこをよく見極めたうえでチーム作りに着手しなければ、最初から躓いて、4年後のロシアに向けて大きなロスとなってしまいかねないよ。