ここまで12勝を挙げながらも右肘靭帯の部分断裂により全治6週間と診断され、戦線離脱を余儀なくされたニューヨークヤンキース・田中将大。今後は再生治療による回復を目指すも、状態次第では腱を移植するトミー・ジョン手術を受ける可能性もあるという。

そんな折、20日放送、NHK「サンデースポーツ」では元MLBプレーヤーで現野球解説者の田口壮氏が、田中の状況を説明。「残念ですよね。最多勝とかサイヤング賞とかも狙えるだろうなと思ってたんですよね」。田口氏は無念の表情でこう切り出した。

すでに今月14日には、負傷箇所に血小板を注入し治癒力を高める治療を受けている田中。田口氏は「自分の持っている血液から血小板を抜き出して注入して本来身体が持っている自然治癒力を高めて傷を治していきましょうということなんですけど」と言いながらも、「個人差がある。6週間経ってもどうなってるのかっていうのは分からない」と続けた。

そんな田中が肘を負傷する原因を「まず一つは滑り易いボール」と挙げた田口氏。「日本のボールよりも皮が滑り易く、縫い目がちょっと高いんですよね。僕ももともと野手でしたけど、野手ですら肘に負担がかかるわけですよ。野手は練習でも全力で一日に10球投げるか投げないか。田中投手は100球以上投げている。しっかり(ボールを)グリップしないといけないですから。相当な負担はかかると思います」と説明すると、もう一つを「短い登板間隔ですね。日本の場合ですと中6日。1週間に1回。その2日間は非常に大きい」と続けた。

日本では登板翌日にクールダウンを行うと2日目には休みを取ることが多い。田口氏は「全く肘を使わない日が出てきます。これは大きいですよね。(アメリカより)2日多い。これだけだと大したことだと思わないかもしれませんが、年間のスケジュールにしていくとすごい負担になってくる」という。

さらにダルビッシュ有が「(中4日は)絶対短過ぎる(中略)中6日あれば絶対靭帯の炎症とか全部クリーンにとれる」と発言したことについて触れると、「(炎症がとれるかどうかは)医学的に調べてみないといけないなと思うところなんですけど」と前置きした田口氏は「実際にダルビッシュ投手が中4日で投げてますよね。それを肌で感じているわけですよ。ということは正しいと思うんです。僕も大リーグの試合を観てまして、中4日で投げてくるピッチャーと中5日で投げてくるピッチャーとで球の質が違うなということは観てて分かります」と同調した。