売上金額の数字よりも、顧客数の数字を追え/小笠原 昭治
学問がキライでもよくわかる経営戦略とは何か?シリーズ[12/12](お客さまがお金さまになる危険がある経営戦略から続く)

お客さまよりお金さま

になると、売れてナンボですから、もう、お客さんの都合なんざ知ったこっちゃありません、商品の販売が大命題になります。

売るのが目的になりますから「買って」「買って」「買って」のお願い営業になるわけです。

はて、お客さんは、あなたの会社の都合で、商品を買うのでしょうか?

お客さんは、自分の都合で、価値を買うんですよね?

商品が優先すると、お客さんが求めている価値よりも、商品そのものに価値が生じます。

そうなると、営業マンは、商品の説明から始めます。

請われているなら、説明しなければなりませんが、請われなくても説明するとしたら、そりゃ押し売りでしょ。

これこの通り、商品を売って、売上を増やそうとすると、お客さんは、二の次三の次。

お金が第一、商品が第二、顧客そっちのけ

になります。

この落とし穴に陥ると、お客さんの喜ぶ顔を見るよりも、売上が増えて喜ぶ経営者の顔を見るために(会社のために)営業活動するようになります。

このように、商品を売って、売上目標を達成しようとすると、売上が伸びなくなるのは、

顧客のためではなく、我利のために売り込むようになるからです(売上至上主義者なら構いませんが)

いやさ、人は誰しも自分に興味がありますから、自社の我利を欲するのは当然です。

一方の、お客さん自身も、自分に興味があるのであって、あなたの会社の売上を増やしたくて買うのではありませんね?

ということは、売り上げを増やしたければ、商品を売るより先に、

顧客を増やす

ことが最優先ではありませんか?売上の数字よりも、顧客の数字です。

ということは「売上を増やせ」という命令ではなく、

お客さんの数を増やせ



優良顧客の数を増やせ

の二点が最優先ではありませんか?優良顧客が、売上の70〜80%を支えてくれるからです(=パレートの法則)

つまり、営業管理の役目は、

1)顧客の母数が増える過程を点検

し、

2)優良顧客が増えるように指導

することです。

どういう営業戦略に基づいて、優良顧客を増やすのか、形式知にして、組織で共有できなければ、部下は動きようがありません。ということは、

3)営業戦略を示すこと

が三点目。以上三点が、リーダーの役割です。

なぜ、リーダーの役割かというと、組織を動かして、一人で動くよりも、二倍、三倍の効果を発揮するためにリーダーは、部下よりも高い給料をもらっているからです。

では、健闘を祈ります。(^o^)/~~~

【完】