北カリフォルニアの指名手配犯情報公開サイト(northerncaliforniamostwanted.orgのスクリーンショット)

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逃走中の凶悪犯罪指名手配犯の情報については、日本では公共施設などのポスターで見かけることが多い。しかしアメリカではそうした情報を警察がWEBサイトで公開し、市民に情報提供を呼びかける動きが活発化している。カリフォルニア州でも昨年12月に新たな取り組みが始まり、ジワジワと効果が現れてきたもようだ。

未成年であろうが精神疾患が疑われようが、犯罪者・容疑者の顔写真や情報をどんどん公開し、検挙につなげようとするアメリカの警察のあり方。このほどサンフランシスコ郊外のパロアルトでは、警察が発信するそうした情報公開サイトを見た1人の男が、「これはマズイと思った」として自ら警察署に出頭。これにより彼の情報は“Captured(逮捕済み)”の欄に移動した。まだ開設されて3か月未満だが、そうしたサイトの効果のほどを知りたいと全米の警察が注目している。

今回、逮捕となったのはクリストファー・ヴィアタファ(27)という男。ヴィアタファはある日、自分の名前をGoogleで検索して驚いた。『Northern California Most Wanted(北カリフォルニアの指名手配犯情報)』というサイトに、「誰も住んでいない建物に向かって発砲した容疑により行方を追っている」という情報が顔写真つきで掲載されていたのだ。ヴィアタファは慌てて地元のサンリアンドロ署に出頭。「発砲したことで良心の呵責に咎められていたので、むしろこれでスッキリした」と語っているそうだ。

この情報サイトはサンフランシスコを中心とする北カリフォルニアの警察が、連邦、州、郡、地域といった枠を超えて昨年12月から共同で発信するようになったもの。北カリフォルニア地域情報センターの所長は「このサイトのお陰で犯人の検挙率はぐんと上がるでしょう」と絶賛している。またこうした方法は犯人の気持ちを追い詰める効果も高いため、ヴィアタファのような自首の数も増えることが期待されるという。

※ 画像はnortherncaliforniamostwanted.orgのスクリーンショット
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)