NZ戦にセルジオ越後氏「批判されて当然の試合。サッカーの聖地の名が泣くよ」

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 5日、「キリンチャレンジカップ2014」が行われ、日本代表とニュージーランド代表が対戦した。改修前の国立競技場で最後となる代表戦に臨んだ日本は、序盤からゴールラッシュを迎え、4分に岡崎慎司のゴールで口火を切ると、前半17分までに一挙4点をリード。しかしその後は得点が奪えず、逆にサイドを崩されて2失点を喫した。
 
 W杯イヤーの初戦で、貴重なテストマッチの機会としては物足りない内容に、解説者のセルジオ越後氏は次のように語った。
 
「4点リードした時点で、試合が終わってしまった。緊張感の欠けた試合に、弱い相手、これでは本大会に向けて何のテストにもならないね。唯一分かったのは本田と香川がかなり不調だということだけだ。所属クラブでパッとしないのもよく分かる。あんな試合、プレーをしたら、批判されて当然だ。イタリアのメディアは本田に対してすごい批判的な物言いをしたりするけど、それがサッカーの強い国の姿だ。ブーイングの一つもなく、まるでコンサート会場かのような国立の雰囲気に、試合内容よりも力が抜けてしまうよ。今日一番良かったのは岡崎だと思うけど、きっと明日の一面は彼じゃないんじゃないかな。これが日本サッカーのすべてだよね」
 
「国立は日本にまだサッカーのスタジアムがなかった時代に、よく試合会場となった場所であり、日本サッカーの歴史を見てきたまさに聖地と言えるスタジアムだ。ところが2002年W杯以後は、どこか蚊帳の外に追いやられた。W杯予選もやらなくなってしまった。2002年の時に、なぜ国立も改修工事ができなかったのか、なぜ首都でW杯をやらなかったのか、未だに心残りだ。そうした経緯も含め、今日のような最後の試合には、もう少し名誉ある相手、演出、内容があってもよかったと思うが、そうならなかったことが残念だ。聖地の名が泣くよ」