ファッションフィルムとは何か?ASVOFF創設ダイアン・ペルネに聞く

写真拡大

 ファッションにフォーカスした短編映画祭「ASVOFF TOKYO」が、東京で5回目の開催を迎えた。「クリエイティブを志す人が絶対見るべき短編映像祭」を目標にパリで2008年にスタートした同短編映画祭は、この5年間でニューヨークやロンドン、ミラノなど世界の主要都市で開催されてきた。「ASVOFF」創設者Diane Pernet(ダイアン・ペルネ)は年間約1000本のファッションフィルムに目を通すといい、同短編映画祭を通して伝えたいことは「ファッションフィルムの真の姿」だという。

ファッションフィルムとは何か?の画像を拡大

 ダイアン・ペルネはフォトグラファー、ファッション・デザイナ―として活動した後、2005年から自身のブログ「A SHADED VIEW ON FASHION(www.asvof.com)」を立ち上げ。ファッション業界やクリエイティブ業界の最新の情報を発信する傍らで、若手の才能を発掘するタレントスカウトなどでも活躍してきた。

「ASVOFF」は1995年、ダイアン・ペルネが製作した「ELEY KISHIMOTO(イーリー キシモト)」のロードムービー「ADVENTURE OF アドヴェンチャー オブ プレジャー」が当時、仕事をしていたクリエイターらから評価され「ロサンゼルスやメキシコで上映しないか」と声がかかったことがきっかけ。「上映するならば自分の作品だけではなく他の作品も一緒に」というダイアン・ペルネの思いから、「ASVOFF」の前身となる「YOU WEAR IT WILL」と名付けて上映会が開催され、その2年後パリで「ASVOFF」として本格始動したという。

 「最初は『知る人ぞ知る』ような小規模なものだった」というが、3回目からは場所をポンピドゥー・センターに移し、3日間のスケジュールで開催。「今年はポンピドゥー・センターの方から『ASVOFFの規模が大きくなり広く認知されていることがとても嬉しい』と、これまでより広い試写室を会場として提供して頂いた。当日は部屋を溢れる人が集まり、大盛況だった」と振り返る。

 ダイアン・ペルネはファッションフィルムについて「ファッションフィルムは写真を寄せ集めたものではなく、単なるビデオとも違う。インスパイアされ、心が掻き立てられるもの」と定義しており、東京での開催について「私にとって東京は、パリの次に好きな都市。東京での開催は今後も続けて行きたいし、『ASVOFF TOKYO』の開催によって、若い人やクリエイションに携わる人に向けて『ファッションフィルムというのはこういうもの』ということを示していきたい。そして東京からもより素晴らしい作品が生まれるように『ASVOFF TOKYO』の存在意義を広く発信していきたいですね」と話している。

 「ASVOFF TOKYO 2013」は南青山の「IDOL Tokyo」で11月29日から12月1日まで3日間の開催。