Android 4.4 KitKat、新たな10億人のユーザー獲得に向けて本日公開
低スペックな端末にも対応した新バージョンのAndroidで、グーグルの「統合された検索とコントロール」の普及を目指す
ハロウィーンにぎりぎり間に合うタイミング(米国時間)で、グーグルは同社の新しいお菓子、Android 4.4 KitKatの包み紙をはがした。KitKatは最先端のAndroidエクスペリエンスを、世界中の全Androidスマートフォンにもたらすことを目指して作られたものだ。各メーカーが低スペックのデバイスにもこの最新オペレーティング・システムを適用できるよう、より少ないメモリで動作する。
KitKatは後方互換に注力して開発されたため、このオペレーティング・システムの最新機能はどんなAndroidデバイスにも適用することができる。このモバイルOSは「新たな10億人」にAndroidを届けるため、よりコンパクトに、より速く、より効率的に設計されている。おそらく、512MB程度のRAMを搭載したデバイスであれば動作するだろう。
「我々の目的は、2014年時点で使用されているすべてのAndroidスマートフォンで動作可能な、ただひとつのバージョンのオペレーティング・システムを構築することだった」
グーグルでAndroidとChrome、Googleアプリを担当しているシニア・バイス・プレジデントのサンダー・ピチャイは、サンフランシスコで行われたイベントでこのように語っている。
グーグルはKitKatの目的を、「あらゆるエクスペリエンスにグーグルの知性をもたらす」ことだと宣言した。これを実現するため、グーグルは自社のGoogle Nowセマンティック(意味論的)検索プロダクトをAndroidエクスペリエンスの重要な部分として位置づけた。メッセージング・アプリ「Hangouts」と新しいスマートな「Caller ID」に加えて、グーグルは世界中の情報を関連付ける同社の能力をAndroidにもたらしている。
KitKatには、新しいスマートなダイヤラー、半透明のナビゲーション、ステータスバーなど、様々な新しい機能がある。例えばグーグルのメッセージング・アプリHangoutsには今回、インターネット・ベースのチャットのような伝統的なテキスト・メッセージ(古いSMSとMMSプロトコルを経由し、セルラーネットワークを通じて送信される)が組み込まれた。
また、各アプリケーションによるシステム・メモリとハードウェア・コンポーネントの使用が最適化され、パフォーマンスとマルチタスキングが改善された。さらにアプリ開発者には、新しいアクセス・フレームワークによるクラウド・ベースのストレージへの統合機能も提供されている。例えばアプリ内でビデオや画像をアップロードしたい場合、サード・パーティー製のクラウドプロバイダ(BoxやDropBoxのような)やGoogleDrive、あるいはデバイスのローカルなどからファイルをインポートすることが可能だ。
KitKatには「Googleクラウド・プリント」と呼ばれる機能も導入された。ワイヤレス接続が可能なあらゆるプリンタで簡単にドキュメントを印刷することができ、Google Playストアに専用のアプリがある。このGoogle Cloud Printは、HP ePrintプリンタですぐに利用可能だ。
また、グーグルは今回電話アプリの概念を一新した。連絡先の表示順は、ユーザーが誰と最も頻繁に話しているかに基いて入れ替わるようになる。Caller ID機能はグーグル検索と結びついており、かかってきた電話番号をユーザーが認識しなければ、グーグルはデータベースの情報にアクセスしてそれが誰かをユーザーに示すことができる。
Dan Rowinski
[原文]