注目が高まる高配当株式

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世界の高配当株式は、単に配当利回りの水準が相対的に高いだけではなく、総じて収益力面でも優位性を有しています。企業の収益力を見るための指標のひとつに売上高営業利益率があり、一般に、同利益率が高ければ収益力が高いとされています。高配当株式の売上高営業利益率は、世界株式全般を上回っているほか、安定しているという傾向があり、相対的に高い配当を持続的に支払う上で重要な要素となっているとみられます。

配当利回り水準の高さと収益力面での優位性は、高配当株式の株価特性につながっていると考えられます。リーマン・ショック後に株価が底値をつけた2009年2月以降の株価推移をみると、株価上昇時において高配当株式が世界株式全般を上回る局面があった一方で、株価下落時において、高配当株式の下落幅が世界株式全般よりも比較的小さい傾向がみられました。株価上昇局面では、相対的に高い収益力などを背景に、高配当株式への収益期待が高まった一方で、投資家がリスク回避的になった株価下落局面では、高配当株式の配当利回り水準が相対的に高いことに加え、安定した収益力が株価の下支え要因になったと考えられます。

足もとで、欧州債務問題や米国の財政問題などの不安要素もあるものの、世界景気は回復傾向にあり企業収益の拡大や株価上昇が期待されています。こうした環境下、株価上昇機会を追求しつつ、不測の事態にも備える上で、高配当株式への注目が高まると見込まれます。

(※上記は過去のものであり、将来を約束するものではありません。)

(2013年4月30日 日興アセットマネジメント作成)

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