常に冷静なのがモットーのGSPでさえ、熱くなってしまうニックの口撃。では、ニックの攻撃に対してGSPはどのような反応を見せるのだろうか。熱くなると、危険度は増してくる (C)GONGKAKUTOGI

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16日(土・現地時間)カナダ・モントリオールのベルセンターで開催されるUFC158「St-Pierre vs Diaz」。いよいよ今大会でUFC世界ウェルター級選手権試合GSP×ニック・ディアスの一戦が行われる。

一昨年10月に、そして昨年2月と2度にわたるGSPの負傷により、実現することがなかったニックとの防衛戦。今大会に5連勝中のジョニー・ヘンドリックスが出場するにも関わらず、暫定王座決定戦でカーロス・コンディットに敗れているニックが挑戦者になったことに疑問の声も挙がっているが、GSP自身、プレスリリースを通じて「僕の次の試合に関して、本当に色んな意見が飛び交っているけど、この試合だけが唯一、僕が選択できるモノだ。個人的なことでもあるし、だからこそこれ以上は待てない」と発表している。

ニックの特徴は何と言っても独特の構えから繰り出されるパンチだ。相手に対して半身ではなく正面に、しかも両手を前に伸ばした状態で打つパンチは、オーソドックスなボクシングスタイルからはかけ離れている。

だが185?の長身と発達した上体は、正面に構えることで相手にとっては壁のようなプレッシャーとなり、どこからパンチが飛んでくるのか出所が分からない。手打ちに見える打ち方も、ロングリーチ×前腕のグリップ力で威力は十分、それでいて顔面とボディへの打ち分けも巧みだ。ニックのパンチはしっかりと自分の身体的なアドバンテージを理解し、それを最大限に活かすという、非常に理にかなったものだと言えるだろう。

その打撃とは対照的に、ガードワークからの仕掛けは基本に忠実で、グラウンドではいかにベーシックな技を高い精度で極めるかのお手本のような動きを見せる。レスリングの攻防に時間を割くよりも、独特の打撃でKOする、もしくはガードから一本を取る。そんな戦い方でニックは高いKO・一本率を誇ってきた。

ただし、ニックの戦い方がハマったのはストライクフォースでの試合を含め、対戦相手もフィニッシュを狙うファイターが多く、試合展開が噛み合っていたからという見方もできるだろう。相手が自分の土俵に上がってくれなければ持ち味を全く発揮できないというのは、コンディットとの一戦で露わになっている。

GSPの打撃はあくまで距離や間合いを測ることを基本とし、余計なリスクを負うことを徹底的に避ける、ニックの打撃とは正反対のものだ。左ジャブを伸ばし、右回り。その真意はバックステップをよりスムーズに行うため。加えて、ジャブが届く位置はテイクダウンの距離となるレーダーの役割も持っている。