3月2日から、いよいよWBCが開幕する。3連覇を目指す日本の前にまず立ちはだかるのは、昨秋の世界地区予選でホスト国の強豪パナマを破ったブラジル。その実力はどれほどのものなのか?

海外の野球事情に詳しいテレビ局関係者が語る。

「選手の大半は日系人で、松元ユウイチ(ヤクルト)などなじみの選手も多い。そこにマイナーリーガーも10名ほど加わっていて、イメージ以上に手ごわいです。実際、パナマとの地区予選決勝は、1−0のシビれる展開を制しての勝利でした」

ただ、予選を引っ張った唯一のメジャーリーガー、捕手のイヤン・ゴメス(インディアンス)は不参加が決定。昨季はメジャー43試合出場で打率.204だったが、25歳と伸び盛りで将来を期待される逸材だけに、ブラジルにとっては非常に痛い欠場だ。

日本戦の先発投手と伝えられているのは、24歳のリエンゾ。18歳でホワイトソックスと契約し、マイナー6年間で29勝20敗、防御率3.30とキャリアを積み、今春はついにメジャー40人枠入りを果たした。150キロの速球とカーブ、スライダー、シンカーが武器の右腕だ。

日本のファンは「こんな投手がブラジルに!?」と驚くだろうが、弱点は制球力。1次ラウンドは球数制限が厳しい(65球)だけに、日本はお家芸の待球作戦やファウルで粘り、ストライクを取りにきたところを叩きたい。

国際大会での日本代表は、慎重になるあまり格下相手でも受け身になりがちだが、ここは初回に最低2点、理想は4、5点取って一気に勝負を決めるべきだ。与田投手コーチも、合宿前のインタビューでこう語っていた。

「個人的に一番不気味なのは、キューバよりブラジル。ゴメスが外れたとはいえ、一発長打のある打者がほかにもいると聞いている。チームが落ち着くためにも、ブラジルには快勝したい」

国内組のみのメンバー構成で大会に臨む日本代表は、得点力不足などの不安要素も見え隠れしている。初戦のブラジル戦に快勝することで、ファンの心配を吹き飛ばしてほしいところだ。

■週刊プレイボーイ10号「侍ジャパン3連覇への道 完全シミュレーション!!」より