先週末にスペインが欧州連合(EU)に対し、同国の銀行への金融支援を要請した事が好感され、昨日はユーロ/円を始めとするクロス円の上昇に連れてドル/円も値を上げた。しかし、金融支援の詳細が決まっていないことや、今週末のギリシャ再選挙を前に、市場の期待は早くも剥落。その後は欧米株の下落を背景にクロス円が下落、ドル/円は弱含んだ。昨日は欧州債務問題の根深さを見せつけられた一日であった。 

 市場の関心が欧州債務問題に集まる中、本日もこの問題に対する懸念が一段と増して株安が進むようならば、クロス円の下げ主導でドル/円が弱含むことが予想される。その場合は節目の79円を巡る攻防に注目であり、割り込むようならば200日移動平均線(本稿執筆時点では78.70円)に向けた一段安が見えてくるだろう。(執筆:外為どっとコム総合研究所 編集担当:サーチナ・メディア事業部)