日本武道館で開催された柔道全日本選手権(29日)は、鈴木桂治、上川大樹、高橋和彦ら100キロ超級代表候補が次々と敗れ、本来なら90キロ級選手である加藤博剛が優勝するという、かつては日本のお家芸といわれた重量級勢にとって屈辱の結果が待ち受けていた。

そんな大会前夜となる28日には、日本テレビ「Going! Sports&News」で番組恒例企画=食事会の模様が放送された男子柔道(重量級)勢。出演したのは篠原信一監督、井上康生コーチ、窪田和則コーチに加え、上川大樹、鈴木桂治、高橋和彦、立山広喜の選手4名だ。

北京五輪の惨敗で責任を取る格好となった斉藤仁氏の後任として男子日本代表監督に就いた篠原監督。厳しい指導風景ばかりが強く印象に残るも、井上コーチは「厳しい中に愛があるってことじゃないですかね」と語り、選手らに「監督に言われて一番嬉しかった言葉は?」と尋ねた。

すると上川は「世界選手権で優勝して握手した時はすごい嬉しかった」と、立山は「去年の合宿中に三人打ち込みで払い腰がピタッて決まった時に“それ試合で掛けれたら強いぞ”って言われた。あまり褒められたことなかったので」と、それぞれ語り、これには篠原監督も「すいません、特上ロース」とご機嫌の様子。

また、2004年アテネ五輪の金メダリスト・鈴木は「現役ちょっと被っているので、色々と技を教えて貰った時もあった」と話すと、篠原監督は「負けて怒れへんから。内容が悪いと怒るねん。だから、桂治の場合は怒り辛い。何かしたろっていうのが見えるやろ」と語り、ここで食事会はお開きとなっていた。

だが、そんな男子柔道勢の結束も空しく、厳しい結果となった今回。代表は5月12日&13日に福岡で行われる全日本選抜体重別選手権後に決まるが、北京五輪後、ポイントによる世界ランキング制が導入され、その資格を有していなければ代表に選ばれることはできない。

ゆえに、今回優勝した加藤は(90キロ級の世界ランキングで規定となる22位以内には入っておらず)ロンドン五輪代表の選考外となり、大会後「3人から選ぶしかない」と苦渋の決断を迫られる篠原監督が語っている通り、(結果を残せなかったにも関わらず)代表に選ばれた選手にとっても不本意な選出となる可能性が高い。

今大会で右肩鎖関節脱臼の重傷を負った鈴木の体重別選手権出場は絶望的だが、周囲を納得させる結果をもって代表を選出し、重量級復活へと導くことはできるのか。まさに正念場を迎えた。