by miz7205

ソニーと韓国・Samsung電子は2004年から合弁会社「S・LCD」でテレビ用液晶パネルを生産してきましたが、ソニーが現在、合弁を解消する方向で検討に入ったことを日経が報じました。

ソニー、サムスンと液晶パネル合弁解消へ  :日本経済新聞


ソニー、サムスンと合弁解消へ TV用液晶パネル生産 - 47NEWS(よんななニュース)


時事ドットコム:サムスンとの合弁解消検討=液晶パネル、外部調達へ−ソニー


ソニーとSamsungが合弁会社「S・LCD」を作ったのは2004年のこと。お互いに家電を扱う日韓のライバル企業で、合弁事業を展開するのはなかなか異例のことでした。S・LCDは40インチ以上のテレビ用液晶パネルを主に生産しており、パネルはソニーとSamsungに半分ずつ供給されてきました。

ソニーは「BRAVIA」ブランドで液晶テレビを展開していますが、テレビ事業は赤字が続いています。特に、この合弁相手のSamsungや、同じく韓国のLG電子といったメーカーが猛攻勢をかけてきており、2010年はこれに対抗するため、従来の50%増の販売計画を打ち出して大増産に入りました。

2011年7月24日をもって、一部地域を除く日本全国でテレビのアナログ放送が終了し、デジタル放送へと移行。この移行前は駆け込み需要もあってテレビは売れましたが、地デジ移行から時間が経つと清々しいほどの値下がりを見せました。

ソニーとしては、テレビ事業の黒字化を目指してコスト削減を打ち出しており、そのためにパネルも外部からより安価なものを調達すべく計画。その中で、このSamsungとの合弁事業が足かせとなったため、合弁を解消する方針となりました。

つい先日、パナソニックが薄型テレビ事業を縮小する方針だという報道があった際、ソニーにもテレビ事業を縮小する予定があるのか聞いてみたところ、「今後も市況に応じて構造改革などを継続して行っていくということは5月の業績発表の際にも申し上げております」との答えをもらいましたが、合弁解消が構造改革の一つだったというわけですね。

ちなみに、S・LCDの合弁解消は今年7月にも報道されていましたが、ソニーが否定していました。

今回、合弁解消でソニーはS・LCDの持ち株をSamsungに売却、開発・設計に特化して事業の収益改善を急ぐことになります。

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