ズルズル無得点が続けば、流れは徐々に変わってくる。

打ち出したら止まらない猛虎打線、さらには打撃不振が続く状態から1日でも1打席でも早く脱出する為にも、良い形で得点を重ねて行きたいところである。

それは以外に早く訪れた。

2回途中からマウンドに上がるタイガース2番手の小嶋に対し4回、青木田中が連続三振倒れたあと、今日も3番に入る川端がヒットで出塁すると、4番畠山がレフトへ2ラン。

この日7点目となる2死からの得点は4番の一発だった。

ホームランというのはやはりチームに勢いをつける。

さらに4番が打点を挙げれば尚更である。

続く5回にもヒットと四球にエラーも絡み1死満塁のチャンスをもらうと、1番青木のあたりセカンドの後ろにポトリと落ちるヒットで8点目。

試合は決まった。

由規は6回に内野安打と死球で久々に走者を2人貯めるが、新井・ブラゼルを連続三振に仕留め、得点は許さない。

球数が120球を超えた8回に鳥谷にタイムリーを浴び1点を失うが、守護神不在の中、見事140球の熱投で復帰後初勝利を完投で飾った。

負ければチームは再び3連敗で出口の見えないトンネルに再び入り込むという負けられない試合に勝った。

打線は11安打8得点。ヒットが出て得点できなかったのは初回のみという効率の良い攻撃だった。

両外国人を除く先発全員安打・全員が得点も記録するというつながりの良さ。

打線復調のきっかけとなりそうな試合に出来た。

この日5番7番に入った両外国人はノーヒットに終わったが、日本人だけで8点を奪えた。

きっかけを作ったのはやはり由規のセーフティバント成功だといえるだろう。

あのバントヒットがなければ、2回の攻撃は同点止まり。

試合はどうなっていたかわからない。

さらに、絶不調でとうとう打率が3割を切った青木が四球で繋げたもの大きかった。

その青木は5回に貴重な追加点となるヒットを放ったが、セカンドの頭をようやく超えるポテンヒットでヒットもその1本だけ。

由規のバントヒットもそうだが不調の青木がストレートの四球で繋がったことも大きかった。

青木に両外国人とスワローズの得点源がまったくといっていいほど機能せずに8点を奪えたことは、偶然に偶然が重なったともいえるだけに、8得点でき打撃不振脱出と手放しで喜ぶのはまだ早い。

両外国人以外全員にヒットが出て、全員が塁上を駆け回り得点できたことは、打撃不振脱出のきっかけにはなるかもしれない。

しかし6回から8回までは4番手西村にパーフェクトに抑えられており、2番手小嶋にも畠山の2ランは飛び出したものの2回1/3イニング、7つのアウトの内5つまで三振で奪われ、決して打ち崩したわけではない。

先日のカープ第3戦でも、先発福井の乱調で3点は奪ったが、その後打線は沈黙し逆転負けを喫したように、不調の投手は打ち崩せるようになってきたものの、好調の投手、普通の調子の投手にはまだまだ対応できていない。

明日の試合は、ローテの順番を崩してまでスワローズ戦に当ててきた左腕岩田の先発が予想される。

ここまで5勝9敗と勝ち星こそ伸びていないが、防御率は2.44と内容的には決して悪くない。

ここ3試合も黒星が続くが、すべて7回以上投げ、3失点以内の投球を続けている。

勝ち運がないというのは、スワローズにとっては好材料だが、今日の打撃が本物かどうかを確認するには格好の相手と言えるだろう。

キーマンはやはり青木ということになる。

今日ホームランも放ち4打点と4番の畠山は明らかに昇り調子、青木が出塁できれば、得点できるという形は整いつつあるといえる。

しかし、青木が倒れれば、畠山が回の先頭打者となる可能性も高くなる。