自分のしたいことをして生きるために必要なこと

写真拡大

 「自分のやりたいことをして生きたい」、それは誰もが思うであろう理想的な生き方です。しかし、現実はなかなか上手くいかないもの。
 時に、自分のやりたいことをして生きている人がメディアに取り上げられ、素晴らしい人生論を語っていますが、彼らはどうして自分のやりたいことができているのでしょうか。

 現在はパリに在住し、ヨーロッパと日本を拠点にマネジメント・コンサルティングを行っている今北純一さんは、著書『自分力を高める』(岩波書店/刊)において、欧米と日本双方を見つめながら「自分のやりたいことをやる人生」をおくるにはどうすればよいか、その考え方を日本の若者に向けてつづっています。
 今北さん自身、今では世界を舞台にコンサルタントとして活躍していますが、学生時代、常に迷い続け、紆余曲折を経てきたそうです。
 ここでは今北さんが語る、自分の道を見つけ、自分らしい人生を送るための考え方を、本書の中から一部、ご紹介します。

◆「言葉」で自分を伝える
 よく「雄弁は銀、沈黙は金」といいます。日本では後半部分の「沈黙は金」だけが切り離されて使われることがありますが、今北さんはこの「沈黙は金」という考え方に真っ向から否定します。
 自分の考えていることは、まず言葉にしなければ誰にも伝わらないし、理解もされません。言葉として外に出すことが、自分から動き出す第一歩となるのです。今北さんは、欧米社会の現場では、沈黙は「金」ではなく「罪」であり、何も考えていない愚か者の証拠とまで述べています。

◆状況を変えるには自分で行動する
 失敗をしてしまったとき、自分以外の人のせいにしたくなりませんか。あの人がちゃんとやらなかったから、この人がミスしたから…。確かにそれも原因の一つなのかも知れません。
 しかし、失敗を誰かのせいにしたまま自分は何もしないというのは、打開策を実行しない自分への言い訳に過ぎません。
 状況を変えるためには自分で行動するしかないのです。今北さんは「愚痴を言うくらいなら行動する。行動する勇気がないなら愚痴はやめる。」と言い聞かせているそうです。

◆リスクを必要以上に恐れない
 人生の中には様々な部分で「リスク」を意識することがあります。
 安定志向はそうしたリスクを回避するためにどうすればいいか、考えた結果のものかも知れません。
 しかし、今北さんは言います。「リスクをおかすと大きな不幸にみまわれる、という固定観念で金縛りにされ、わけもなくリスクという言葉におびえているだけなんじゃないですか?」と。
 若いうちの失敗は何度でも取り返せます。だからこそ、前に一歩、まずは踏み出して欲しいと今北さんはつづっています。

 他にもさまざまな考え方がこの本には掲載されています。
 今北さんは「自分力」を、「他人との比較で測るべきものではなく、自分自身が夢と希望をエネルギー源として、仕事の実践、そして人生の実践を通じて蓄積していくべきもの」と定義します。
 もちろん「自分のやりたいことをやる人生」を実践するのはとても難しいこと。しかし、今、自分がやりたいことをしている人たちは、努力を続け、自分を貫いてきたからこそ、その生き方を手にしたのです。
 自分らしさとは何か、悩んでいる若者は今北さんのメッセージに耳を傾けてみると、ヒントが見つかるかも知れませんよ。
(新刊JP編集部/金井元貴)



【関連記事】 元記事はこちら
引退も考えていた スケート界のプリンス、高橋大輔の苦悩
「言い訳をしない人」が成功する理由
イマイチ仕事ができない人に共通する習慣
ガンダムに学ぶ「ダメな上司」5つの条件