アジアカップはこれ以上ない、すばらしい結果で幕を閉じた。李忠成が決めた美しいボレーシュートは、みんなの心の中にずっと残るだろうね。僕も放送ブースで大はしゃぎしてしまったよ。本当に嬉しかった。これでコンフェデレーションズカップにも出場できるし、日本代表関連のマーケット的にも大成功だ。

結果は申し分なし。しかし冷静になってみると、内容的には課題が散見される。まず、とにかく勝ち上がるのに苦労した大会だった。安心して観ていられたのは手抜きのサウジアラビアを相手にした試合ぐらいだったね。韓国とオーストラリアには、結局90分の中で勝利できなかった。次にW杯予選で当たるときも苦労するだろう。やっかいな相手だ。

ここまで苦労した理由の一つに、台所事情が苦しかったことがあげられる。つまり、選手層の薄さだ。交代で出た選手が活躍したのは事実だけど、それはある種バクチが当たったようなもので、計算できる駒は少なかった。

今大会は川島が大当たりし、控え選手から日替わりでヒーローが生まれ、長友の運動量は圧巻だった。すべてがいいようにはまったわけだけど、いつも川島や長友に助けてもらうわけにはいかないし、いつもヒーローが生まれてくるとは限らない。

アジアカップが終わり、これからはネクストステージ、つまりW杯予選、そして2014年を見据えたチーム作りにシフトしていかなければならない。6月には五輪チームも始動するようだし、ここからどうやってチームの底上げを図っていくか。選手の入れ替わりもあってしかるべきだ。

ワイドショーはもう斎藤佑樹の話題にシフトしているけど、そうしたメディアに乗っかって、今回の優勝を一発の打ち上げ花火にしてはならない。さらなる高みを見据えて、課題を克服し、もっともっと強いチームになってほしいね。(了)