途中出場で結果を残している岡崎慎司(Photo by Tsutomu KISHIMOTO)

写真拡大

シリア戦はなんとか2−1の勝利を収めたね。審判の判定云々の問題もあったけど、それ以前に決してほめられた内容ではなかった中で、グループ首位に立てたのは良かった。

第3戦で当たるサウジアラビアはすでに敗退が決まっているため、開き直ってちゃんと前に出てくるだろう。そうすると、これまでの2試合よりは戦いやすくなる。難しい相手であることは間違いないが、引き分けでOK、スコアによっては負けても突破できることを考えると、日本のほうが優位だ。とはいえ、うまく相手をいなして引き分けられるほど、今の代表が成熟しているかといえば、答えはノーだ。

シリア戦は、初戦のヨルダン戦より選手たちの意識も高く、課題とされたプレースピードも随分改善されたように思えた。ダイレクトパスが増え、安易な横パスやバックパスは減っていた。しかしエリア付近までポンポンとつないで近づくことはできても、エリア内、あるいはスペースが狭くなってくると、とたんにボールを失うというようなシーンが目立った。球際が激しく、DFラインを引いてくる相手に対して、非常に苦戦したね。これは中東勢と戦うときのいつもの光景だ。日本代表の永遠の課題と言ってもいい。

こういう相手の場合、球際で戦えるゴン中山のようなタイプは活躍できる。今のチームであれば岡崎だろう。ヨルダン戦もシリア戦も、途中出場から効果的な仕事をしたのもうなずける。逆に、フリーでボールを持ちたがるテクニシャンタイプは生きない。当たりの激しい泥臭いカウンターをしてくる中東勢とはもっとも噛み合わせが悪いね。

日本のサッカーは泥臭い選手よりもテクニシャン系のほうが多く、またその方が評価される傾向がある。子どもの頃からそうした環境、文化が浸透していることが、中東勢を苦手とする一因とも言える。これは、環境が恵まれすぎていることの影響もあるかもしれない。昔は土のグラウンドが当たり前で、擦り傷必至でスライディングをしたものだけど、今は芝生の上で、綺麗にプレーしようとしすぎている気がする。野性味がなくなったというか、サッカー以外の教育も含め、過保護なのだ。泥臭い選手が減ったような気がしてならない。

世界のトップ10を目指すのであれば、激しさも華麗さも狡猾さも持ち合わせなければならない。中東勢との厳しい戦いを通じて日本代表のレベルアップを期待したいね。(了)