今シーズンのリーグ・アン前半戦を7勝4敗8引き分け(勝ち点29)の5位で終えた前年の覇者マルセイユ。

 まさかの開幕2連敗でスタートしたが、その後は徐々に調子を上げ、11月末にはチャンピオンズリーグ(CL)16強入りを決めた勢いで、第15節にモンペリエに4―0で圧勝して首位に立った。

 しかし追われるプレッシャーが働いたのか、つづく5試合で1敗4引き分けと失速した結果、首位リール(1試合未消化)に3ポイント差をつけられての折り返しとなった。

 だがこれと似た状況はすでに昨シーズンに体験済み。32ポイントで4位という成績は今シーズンをやや上回るが、首位との差でいえば、この時点でボルドーには10ポイント差をつけられていた。

 年明けが勝負となるマルセイユにとっては、当然ながら冬の移籍期間での補強というオプションも考えられる。しかし財政事情にかんがみて、ダシエ会長はこれまで「補強なし」を明言してきた。長期離脱を強いられた右サイドバック、セサル・アスピリクエタの代役として、レンヌからロッド・ファニを獲得したのが精一杯というところなのだろう。

 ところがここへ来て、カンフル剤投入の必要性を感じた会長がややトーンを変えつつある。ビッグクラブで出番のない有望な選手を借りてくるという選択肢があるためだ。比較的給与の低い若手なら、財政的な負担も軽い。レキップ紙によると、それにピッタリのプロフィールをもつ選手が、チェルシーのガエル・カクタ(19)だ。

 カクタはフランスのU-19代表としてチームを欧州チャンピオンに導いた立役者のひとり。チェルシーのアンチェロッティ監督も「この歳でこれだけの才能をもつ選手は見たことがない」と高く評価しており、つい先ごろ2015年まで契約が延長されたチェルシー期待の星だ。しかし層の厚いチェルシーにあっては、CL、カップ戦を含めて9試合280分と出番は少ない。マルセイユで経験を積めるとしたら、本人にとっても魅力のある話だろう。

 ダシエ会長もこの案について「悪くないね。ただディディエ(・デシャン監督)が、カクタがチームの中で果たす役割があると判断するかどうかだ」と語っており、チェルシーにオファーを出すのはデシャン監督の決断次第、としている。