東京で2日、尖閣諸島沖での中国漁船衝突事件をめぐり、尖閣諸島の日本の領有権主張や日本政府の対中外交、中国の対日姿勢を抗議するデモが行われた。

 当日は、2600人を超える人々が参加した。多数の日の丸を掲げ、「尖閣諸島は日本の固有の領土。中国の領海侵犯を許さない」「中国の圧力に屈した弱腰の民主党政府を許さない」と書かれたプラカードを手に、東京・渋谷の代々木公園から表参道をデモ行進した。

 デモは、2008年10月に政府見解と異なる歴史認識を論文化し、更迭された元航空幕僚長の田母神俊雄氏が会長を務める団体らが主催した。

 この話題は、2日から3日にかけて海外で多数報じられており、米ウォール・ストリート・ジャーナル、米CNN、ロイター、AFP(フランス通信)、シンガポールのチャンネル・ニュース・アジアなどのメディアが取り上げた。

 米ウォール・ストリート・ジャーナルは、大勢の日本人が、東京のショッピングエリアで普段はあまり見られない国家主義的なデモを行い、尖閣諸島に関する中国と日本政府の対応を批判した、と報じた。

 同紙は、デモ参加者にインタビューを行い「中国の過剰な対応にだまっていられず参加した」というIT企業で働く女性らの声を紹介。日本のネット上ではこのデモが話題になり、日本の多くの若者を動かしたと伝えている。

 一方、日本の大手新聞社やテレビ局は、この件をほとんど取り上げなかったことから、ネット上やツイッターでは「渋谷の尖閣諸島デモ、欧米メディアは多数報じているのに、なぜ日本のメディアは報じないのか」「情報戦争か」「圧力がかかっているのか」といった声が見られた。(編集担当:田島波留・山口幸治)



■最新記事
【米国ブログ】尖閣諸島衝突事件における日中関係、世界はどう見るか
【米国ブログ】尖閣諸島問題「日本と中国の軍事力は比べ物にならない」
【加国ブログ】日本は韓国と協力して、未成熟な中国を指導せよ
【米国ブログ】尖閣問題、日本は中国に「国際司法裁判所に訴える」と警告すべき
中国漁船衝突「中国ではネット上で日本製品のボイコット運動も」−米紙