「M'S STYLE」の代表・ひがし紀子さん
 北千住にあるセレクトショップ「M'S STYLE」の代表のひがし紀子さん。40代50代の女性達へ自分の素敵を感じるスタイルを提案し続け、全国的に人気を博しミセス世代に圧倒的な支持を得ています。現在ではアパレルメーカーと「M'S STYLE」とのコラボ企画、小売店からも参考にされるなどファッション業界では、有名なセレクトショップの一つです。
 今回は、「M'S STYLE」を繁栄させたひがしさんに、成功の秘訣を伺ってきました。

――北千住で洋服のお店を始めたきっかけというのは?

ひがし紀子(以下、ひがし):実家が、自転車屋だったのですが、父が亡くなって、自転車屋ができなくなったんです。私が、デザイナーとバイヤーをしていた経験があったので、ブテイックを始めたんです。自分のセンスに対しての絶対の自信だけはありましたし、店の土地はうちの物でしたから家賃はなく、売り上げも50万もあればいいね・・・って本当に気軽な気持ちで始めたんです。

――でも、思った以上に繁盛したんですよね。

ひがし:商店街の一番外れで6坪しかないお店でしたが、お客様は毎日絶えずいらしていただけました。昼食を食べる時間もなく、30秒で食事を済ませ店に出るという毎日でした。自転車屋だったお店を、手作りで改装し毎日一生懸命でしたが、でもお客様がいらしていただける根底は父の残してくれた信用だったのだと感謝しました。

――アラバブ、いわゆるバブル経験のある女性から圧倒的な支持をされているですよね。

ひがし:「女性でいる限り心豊かにキラキラ輝く人生がいい!」というのが、私の信条です。だから「年齢だから・・・」というのが、ナンセンスだと思います。M'Sフアンの皆さんには前を向いてわくわく歩いてほしい! そのきっかけを作りたいんです。 ひがしに付いてきて!! って感じです。

――そうですよね。その年齢だから楽しめるお洒落もありますしね!

ひがし: バブルを経験してる世代の皆は 物の良し悪しも経験しています。でも今のファッション業界は、この世代を全く理解していません。ショッピングセンターでは、違うブランドなのにどれも同じに見える単品の服は、年相応なミセスの服だったり、いきなりぴちぴちギャルになってしまったり・・・。そうではなくて、M'S 世代が求めている服、スタイルは、自分らしくいられる、自分自身が一番輝くスタイルなんです。

もちろん、年齢による体型の変化でお洒落に尻込みしちゃう事もあります。それに、M'Sのオリジナルは5号から11号までのサイズ展開です。それ以上の方達からのお問い合わせには「痩せましょ!!」って言います(笑)。例えば、ブラウス一つにしても、その方のためだけに誂えたようなスタイリングを組んで颯爽と街を闊歩していただきたいんです。

――ブログには、スタイルのいい東さんが実際にお洋服を着て販売をされていますが、撮影もご自身なんですよね?

ひがし:セルフタイマーで撮影しています。1つ1つのスタイルに、「このスタイルのTPOはふさわしいのか?」だったり、それなら「どんなポーズが良いのかな?」や、「どう着こなして見せれば、その服の一番素敵な面をお伝えできるのかな?」という事を、ものすごく考えながら撮影しています。

――ひがしさんのお洋服に対しての思い入れを感じます。

ひがし:私にとってお洋服は、人生を彩る一部なんですよね。入学式とか結婚式や、新婚旅行、初めてのデート服などは、勝負服ですから、思い出と共に一生忘れられない服でもあるんです。お客様からは、「M'Sのスーツでの卒業式は、皆に素敵と褒められましたし、一番自分が素敵だったかも!?(笑) 。そして、感動の式だったので、一生忘れられないものになりました。ひがしさんありがとうございます。」とお礼を言われると、商売冥利に尽きますね。そこで、“その方の人生を彩る一部でありたい”という自分の思いが達成できるんです。ですから、私のほうが凄い感動をいただいています。