2006年の第一回WBCではカナダチームに6回までに8点差をつけられ、名前を聞いたこともない韓国のピッチャー相手に1点も取れなかったチームUSAが、今回こそはと気を引き締めて準備しているとESPN3月2日付電子版が伝えた。

 前回はコーチとして参加し、今回は監督としてチームを率いるデイブ・ジョンソンは、前回の敗因を「準備不足」という。

 今年の代表にはオールスター経験者が14人、MVP受賞者が3人、新人賞受賞者が3人、野手は全員が20本塁打を記録し、先発にジェイク・ピービィ(パドレス)とロイ・オズワルト(アストロズ)、ブルペンには1イニングに1三振以上を取る速球派がずらりと並んでいる。しかし、今回が前回と違うのは、チームとして機能することを目指している点だ。

 前回のWBC経験者4選手のうちのひとりであるチッパー・ジョーンズ(ブレーブス)は「3年前の代表チームは、本番前に練習試合を1回こなしただけだった」という。

 今年は春季キャンプ中に5日間のオープン戦と、今週は強化試合が3試合予定されている。1ヶ月も前から練習を積んでいる国々と比べれば、十分とはいえないかもしれないが、2006年よりはずっといい。

「選手の大半がすでに10回から12回、打席に立っている。ピッチャーは少なくとも1回から2回、登板している。みんな真剣に取り組んでいて、精神的にも肉体的にも、前回よりは準備ができている」とジョンソン監督。

 前回は野球が誕生した国のメジャーリーガーという驕りがあった。そして、その誇りは粉々に打ち砕かれた。

「ダスティン・ペドロイア(レッドソックス)が話しているのを聞いたのだが、ダイスケ(松坂)に『ぼくたちは勝ったけど、君たちはどこにいたの?』としょっちゅうイヤミをいわれているそうで、もう2度とごめんだといっていた」と監督。

 チームUSAは火曜日にヤンキース、水曜日にブルージェイズ、木曜日にフィリーズと強化試合を行い、その後トロントに移動する。監督は「勝てるチーム」だと胸を張る。