「カフェメイリッシュ」で出されるドリンク＆フード類は、そこそこ美味しいというイメージがあったのですが、今回私が実際に食べたイベント用メニューはちょっと残念な出来でした。短期間のイベントで出されるメニューに当たり外れが多いのは、ある意味仕方のない部分はあるのですが、できればもう少し頑張ってほしかったです。


店内にはDJTK愛用のシンセサイザー「Fantom-s」（Roland）が展示され、店内奥の壁にはDJTKゆかりのCDジャケ（鈴木亜美等を確認）が20数枚ほど飾られていました。店内に常設の液晶モニタでは、DJTKの1stアルバム『Cream Of J-POP 〜ウタイツグウタ〜』収録曲の『JUMP（忌野清志郎）』『My Revolution（渡辺美里）』『WANDERERS（松任谷由実）』などのオリジナルPVを再生。アルバムと直接関係のない『Rydeen（YMO）』や『Self Control（TM NETWORK）』も流れたりしたので、個人的には意外に楽しめてしまいました。メイドさんの接客は好印象でしたしね。
イベント用特別メニューのオマケとしてついてきた「DJTKバッチ（左）」と「ラミカ（右）」。その価値は未知数……。＜80年代のDJTK＞小室哲哉作曲の『My Revolution』を収録した渡辺美里の2ndアルバム「Lovin' you」（1986年作品）。


全体的な感想としては「惜しい」の一言に尽きます。メイド喫茶というアイディア自体は悪くなかったと思うのですが、もう少し「小室哲哉色」を全面に打ち出した演出があれば、印象は全然違ったはずです。例えば、店内装飾もTM NETWORKのポスターやグッズを多用してもっとお祭り感を出すとか、DJTKの等身大POPを設置するとか、20分ごとにメイドさんが小室ソングをカラオケで歌うとか、工夫できる部分は多々あったように思うのです。いろいろ制約はあるのでしょうが、もし次回があるならもろもろ再考すべきかと。DJTKのプロモーション活動として有益なものになるよう、今後の活動に期待したいと思います。

■DJTK（小室哲哉）の今後を考える
小室氏はヒットから縁遠くなって久しく、世間からすっかり過去の人として扱われています。とはいえ「世界で最もCDを売ったプロデューサー」としてギネス認定された（ソースはイベントのチラシ）人物が、このまま終わるはずがないと個人的には思っています。2000年代に入ってから80年代ブームが起こったように、小室ブームで生み出された楽曲が再評価される時期は必ず来るはずです。今聞いても『My Revolution（渡辺美里）』『WOW WAR TONIGHT〜時には起こせよムーヴメント〜（H Jungle with t）』『愛撫（中森明菜）』などは神曲ですしね。
＜80年代のDJTK＞TM NETWORKの2ndアルバム「CHILDHOOD'S END」（1985年作品）。ヘアメイクや衣装がテラ80年代なジャケ。＜90年代のDJTK＞安室奈美恵の1stアルバム「DANCE TRACKS VOL.1」（1995年作品）。発売当時のアムロちゃんは18歳。


80年代ブームを目安にすると、潜伏期間は約20年といったところでしょうか。となると、小室氏がプロデュースした曲がシングルランキングの上位５曲を独占した1996年４月をひとつの頂点と考えれば、再評価の時期は遅くとも2016年までにはやってくると予想できます。もちろん、その間に小室氏が突如ヒット作を出すことも十分ありえます。最近、小室氏を支援する動きは少なくなっているようですが、逆に苦しい今こそ応援するチャンスだと思うのは、私だけでしょうか？
＜90年代のDJTK＞globeの1stアルバム「globe」（1996年作品）。累計で400万枚以上を売り上げた小室哲哉の絶頂期を象徴する作品。＜2000年代のDJTK＞吉本興業在籍時に手掛けたアニソン『晴れる道〜宇宙人（オメェら）に合わせる顔がねぇ!〜』（2006年作品）。歌は次長課長。いろんな意味で迷曲です。


音楽プロデューサー・小室哲哉の才能が、どん底の中で沸々とマグマのような胎動を始めているとしたら、これはもの凄いことです。本人のやる気が完全に失われていたとしたらもはや試合終了ですが、メイド喫茶というフィールドに踏み込んだ事実を見る限り、少なくともチャレンジ精神は残っているはずです。こうなったらアキバ進出ついでに、初音ミクをプロデュースしてCDリリースするなんてどうでしょうか。「小室哲哉 feat.初音ミク」……ヤバイ、これは、売れる！！　いやホント、マジでどこか出してくれませんかね（遠い目で妄想）。

※参考公式サイト
・DJTK
・カフェメイリッシュ
・VOCALOID2

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レッド中尉（れっど・ちゅうい）
プロフィール：東京都在住。アニメ・漫画・アイドル等のアキバ系ネタが大好物な特殊ライター。企画編集の仕事もしている。秋葉原・神保町・新宿・池袋あたりに出没してグッズを買い漁るのが趣味。

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