設計コンサルと工事会社が癒着、費用つり上げマンション住民の負担増…大規模修繕談合で38社に排除措置命令
関東のマンション管理組合が発注する大規模修繕工事で談合を繰り返したとして、公正取引委員会は28日、設計コンサルタント会社2社と修繕工事会社40社の独占禁止法違反(不当な取引制限)を認定し、うち38社に再発防止を求める排除措置命令を出した。
併せて、工事を受注した修繕工事会社には計16億3788万円の課徴金納付を命じた。
マンションの大規模修繕工事を巡り、公取委が行政処分を科すのは初めて。住民からの依頼で業者選定を支援する設計コンサルが工事会社と癒着することで公正な競争が妨げられ、工事費用がつり上がって住民の負担が増す構図になっていた。
発表によると、排除措置命令を受けたのは、設計コンサルの「翔設計」(東京)と「リノシスコーポレーション」(大阪)の2社と、修繕工事会社の「長谷工リフォーム」「シミズ・ビルライフケア」(いずれも東京)「伊勝」「富士防」(いずれも神奈川)など36社の計38社。既に解散、吸収合併された3社と、課徴金減免(リーニエンシー)制度で不正を申告した「YKKAPラクシー」(千葉)は免れた。
談合は2021年秋頃~25年3月、マンション管理組合が発注した大規模修繕工事で行われていた。設計コンサル2社が、それぞれ修繕工事会社と話し合って受注業者を決定。受注予定業者は他の業者から自社よりも高い額の見積もりを出させるなどし、管理組合に公平な選考を装っていた。
期間中に設計コンサル2社が関東の1都6県で手がけた業務は計213件に上り、うち171件で談合が確認された。公取委は、171件のマンション名などをホームページで公開している。
公取委の調査で、設計コンサル2社は、工事を受注した業者から受注額の約5%をマージンとして得ていたことも判明。ただ、課徴金は受注した工事会社に科されるため、設計コンサル2社には課徴金納付命令は出されなかった。
同様の疑惑は東海地方でも浮上している。公取委は7月、愛知、岐阜などでも談合が行われた疑いがあるとして、修繕工事会社と別の設計コンサルなど二十数社に立ち入り検査を行い、調査を続けている。
各社は「命令を厳粛に受け止め、再発防止と信頼回復に努める」などとするコメントを出した。
