AppleがMacやiPhone、Apple Watchなどに搭載してきた触覚フィードバック「Taptic Engine」が、特許を侵害しているとして、同社に対して57億ドル(約8990億円)の賠償金支払いを命じる判決が下されました。

Apple faces more than $5.7 billion patent infringement verdict

https://www.cnbc.com/2026/09/26/apple-taction-technology-patent-infringement-verdict.html



Apple hit with $5.7 billion verdict over Taptic Engine patent infringement - 9to5Mac

https://9to5mac.com/2026/09/27/apple-hit-with-5-7-billion-verdict-over-taptic-engine-patent-infringement/

Taptic Engineは、Appleが2014年9月に発売したMacBookで初めて搭載された触覚フィードバックエンジンです。2015年には初代Apple WatchとiPhone 6sにもTaptic Engineが搭載されました。

iPhone 6sのディスプレイは、タップとプレスを区別できる「3D Touch」に対応しており、これを実現するための重要なコンポーネントのひとつとしてTaptic Engineが搭載されました。

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そんなAppleのTaptic Engineが、自社の特許を侵害していると主張しているのが、触覚技術企業のTaction Technologyです。Taction Technologyは2021年に「AppleがTaction Technologyの振動技術を侵害するデバイスを販売することで、Taction Technologyの革新性と成功を不当に利用している」と主張してアメリカ・カリフォルニア州南部地区連邦地方裁判所でAppleを提訴しました。

Appleが侵害したとされる特許は、アメリカ特許第10659885号と第10820117号です。どちらの特許も振動を用いた触覚トランスデューサー技術に関するもので、ユーザーが入力に対するデバイスからの反応を体感できるようにする技術となっています。Taction TechnologyはAppleが適切なライセンス契約などを結ばずにTaptic Engine搭載デバイスを販売して特許を侵害したと主張しています。

2023年に同訴訟は一度棄却されましたが、その後、連邦巡回控訴裁判所により訴訟は再開。そして2026年9月になって、カリフォルニア州サンディエゴの連邦地裁で行われた陪審で、AppleがTaction Technologyの保有する特許2件を侵害したという判決が下されました。裁判ではAppleに対して、57億ドルの損害賠償金の支払いを命じています。



今回の判決について、Appleは「陪審員の皆様のご配慮に感謝しますが、本日の判決および賠償額は事実に基づかないものであり、断固として同意できません。AppleのTaptic EngineはTaction Technologyの技術とは根本的に異なり、Taction Technology自身が裁判中にApple製品に対して行ったテストでもそれが確認されています。Appleは同社の技術を使用しておらず、控訴する予定です」とCNBCにコメントしています。

一方で、Taction Technologyの弁護を担当するランス・ヤン氏は「陪審がTaction Technologyに有利な判決を下し、同社の特許が認められたことを嬉しく思います。Taction Technologyはこの訴訟が裁判に持ち込まれるまで5年半も待ったので、まさに待望の判決でした」と語りました。