『踊る大捜査線』連ドラ続編はあり得るのか?柳葉敏郎、深津絵里は不在…シリーズ存続に残る「唯一の不安」

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18日に14年ぶりの新作となる映画『踊る大捜査線 N.E.W.メトロポリスを駆け抜けろ!』が公開されてから1週間が過ぎ、この間さまざまな声があがり続けている。

驚かされるのは、公開されてからも大々的なプロモーションが続いていること。キャストの番宣出演、連ドラと映画シリーズの再放送ラッシュ、さらにSNSでの発信などが仕掛けられている。

それまで話題の中心にいた『VIVANT』(TBS系)が「アジア大会」中継で休止中であることは幸運と言っていいかもしれない。しかし、好意的な声が多くを占めているのは、織田裕二の存在感によるところが大きいだろう。

実際、織田は『ネプリーグ』などのバラエティに番宣出演しているほか、いくつかの点で過去との変化が見られ、その振る舞いが業界内の話題となっている。織田はどのように変わったのか。今後、『踊る大捜査線』はどのような可能性が考えられるのか。

さらにフジテレビやテレビ全般にもたらすものを掘り下げていく。

前編記事『番宣に出ない「織田裕二が変わった」と業界で話題…『踊る大捜査線』14年ぶり新作でバラエティに全力出演する背景』より続く。

「連ドラ続編」に対する織田の本音

次に今回の続編と織田の変化が『踊る大捜査線』に何らかの影響を及ぼすのか。

今回の映画で織田演じる主人公・青島俊作は警視庁捜査一課の刑事になっていた。いわゆる“本店”での青島はまだほとんど描かれていないだけに、物語上は十分な可能性を感じさせられる。

しかも織田本人は『この世界は1ダフル』でMCの東野幸治から「もし連ドラの2をやりたいとフジテレビからお願いがあったら引き受けますか?」と聞かれ、「もちろん」と即答。さらに楽しげ顔で「クソつまらないどうでもいい話を15分くらい延々見せたりするのが『踊る』の連ドラ(版)なんですよ。そこが大好きなんです」と語っていた。

これまでは「青島のイメージがつくことを恐れて続編を避けていた」などと報じられていたが、それを真っ向否定。本人は「『踊る大捜査線』は続いていくものと思っていた」というだけに、30年の時を超えた連ドラ第2弾も夢ではないだろう。

『踊る大捜査線』には「過去の人間模様と事件、約30年という年月を生かしたエモーショナルな展開が生かせる」という他作にはない武器があるだけに、脚本・演出は一定の期待ができるのではないか。

フジ復活のカギとなるか

そしてもう1つ忘れてはならないのは『踊る大捜査線』ファンの存在。

映画第1弾が公開された1998年ごろから業界内ではリピート客の多さを理由に「『踊る大捜査線』のファンは熱い」と言われていた。しかもその熱さは第2弾、真下正義(ユースケ・サンタマリア)や木島丈一郎(寺島進)らのスピンオフ、第3弾と作品を重ねるごとにアップ。まるでアイドルファンのような一途さで溺愛する人が今なお多いとみられている。

今回の映画では青島が「まだ刑事やってるんですよね」「何で刑事続ける?」などと聞かれるシーンがあった。これは「これからも熱いファンたちに青島たちの生き様を見せていく」という宣言のようにも見える。

そんな『踊る大捜査線』の復活劇と青島の生き様は、苦境にあえぐフジの応援歌のような存在と言っていいかもしれない。「終わった」と言われるところからの復活、歳を取ってボロボロになってもあきらめずもがき続ける姿を世間の人々に見せられるか。織田が「変わった」と言われるように、フジテレビも「変わった」と言われるか。

“IP(知的財産)ビジネスの中核”という点も含め、『踊る大捜査線』と織田裕二がフジテレビ復活の鍵を握っているのかもしれない。

唯一の懸念は青島を取り巻く人々

テレビ全般に目を向けると、やはり大きいのは刑事ドラマへの影響。『踊る大捜査線』の前後で二分されるほど、同作は刑事ドラマへの大きな影響を与えた。

それまでの刑事ドラマは、刑事軍団と犯人によるカーチェイスや銃撃戦、あるいは2時間ドラマを縮めたような人情刑事が事件解決する作品が多くを占めていた。しかし、『踊る大捜査線』はそれらをすべて度外視。主人公が活躍しない回もあるなど事件の扱いは薄めで、警察内部の人間関係をメインに描いている。

「『踊る大捜査線』で警察組織を知った」という人は多いが、以降の刑事ドラマがそれを踏襲したことで、刑事ドラマ=人間ドラマの意味合いが濃くなった。それは約30年にわたって変わらないため、今回の復活、さらに連ドラ第2弾の放送が実現したら、その路線が強固なものになるのかもしれない。

このところフジテレビは『踊る大捜査線』が放送された火曜21時台のドラマ枠で、今年、警視庁広報課が舞台の『東京P.D. 警視庁広報2係』、警察署の犯罪被害者支援室が舞台の『さよならノワール』というイレギュラーな作品を連発している。

他局も含め、『踊る大捜査線』の復活によって「刑事が主人公の王道作品に回帰する」きっかけになるのか。また、その影響力の大きさから「『踊る大捜査線』以外は大コケしてしまう」という可能性もあるだろう。

「『踊る大捜査線』にまったくの死角がないか」と聞かれたら、真っ先にあげられるのが出演者のパワーダウン。青島の健在が最大の生命線であることに変わりはないが、当初のメインだった室井慎次(柳葉敏郎)、恩田すみれ(深津絵里)、和久平八郎(いかりや長介)は不在となった。

もともとその4人に柏木雪乃(水野美紀)と真下正義(ユースケ・サンタマリア)を加えた6人の群像劇というムードの作品だっただけに、今なお寂しさを指摘する声は消えていない。さらに言えばスリーアミーゴス(北村総一朗、斉藤暁、小野武彦)も出演できるのが奇跡というレベルの高齢になった。

連ドラ後、作品を重ねるたびに新たなキャストが投入されているが、オリジナルの6人に匹敵する存在はまだ現れていない。いかにそれを生み出していくのか。今後もシリーズが続く限り、監督・本広克行、脚本・君塚良一、プロデュース・亀山千広の力が求められていくだろう。

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