「絶対負けない。また那須川天心を倒す」--“王者”の本能を刺激した発奮材料とは? 井上拓真は“幻想打破”を狙う挑戦者をどう迎え撃つのか

打倒・天心。拓真が抱く思いにブレはない(C)CoCoKARAnext
絶対に譲らない。那須川天心(帝拳)の“挑戦”を受けるプロボクシングWBCバンタム級王者の井上拓真(大橋)は並々ならぬ想いを抱いている。
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昨年11月に実現した初対戦で拓真は、那須川に格闘キャリア54戦目にしてはじめての黒星をつけた。序盤2回は前に出る相手のスピードと技術に翻弄された感はあったが、「(ペースを)上げていけばいける自信があった」とブレず。3回以降はグッと距離を縮めて近接戦に持ち込んで試合を掌握。12ラウンドを戦い抜いて判定勝ちを収めた。
試合後に那須川が「深みにやられた」と唇をかみしめるほどの内容で神童を凌駕した。そんな一戦から約10か月で実現した今回のリマッチだが、王者となっても拓真の考えに揺らぎはない。26日の前日計量で「もう全てにおいてばっちり仕上がりました。不安はないです。あとはもうやるだけです」と明かした30歳は、こう力強く宣言していた。
「絶対に負けない。また那須川天心を倒すだけ」
王座防衛ではなく、「那須川天心を倒す」という言葉に相当の覚悟も滲み出る。そんな拓真には発奮材料もある。それは試合を生配信する『Amazon Prime Video』が公式Xでファンに予想を募った勝敗予想だ。集計の詳細こそ不明ながら、結果は王者が47.8%で、挑戦者のそれ(52.2%)を下回ったのだ。
巷の耳目を集めた話題はあっという間にネット上を駆け巡り、ついには本人の耳にも届いた。自らの「敗北」を予想する意見を目の当たりにした拓真は「『なんだこれ』と思って。『上等じゃねぇか』みたいな気持ちで見た」という。ただでさえ、火が付いていた闘志がより滾った。
「その気持ちも含めてしっかり返り討ちにしたい。もうすべてにおいて完璧です。気持ちもボクシング面でも、全部が充実してちゃんと仕上げられた」
王座奪取を狙う那須川は「俺が主人公」「いろんな幻想をかき乱してやりたい」と、打倒を強く誓っている。そんな相手にも威風堂々を振る舞う拓真は、娯楽性の尽きぬ挑戦者と向き合うのか。運命のゴングが迫っている。
[取材・文/構成:羽澄凜太郎=ココカラネクスト編集部]

