「更年期障害が始まる年齢」は何歳から?終わる年齢の目安も解説!

女性で加齢臭がする原因とは?メディカルドック監修医が女性の加齢臭はどんな匂いがするのか・対策などを解説します。

監修医師:
阿部 一也(医師)

医師、日本産科婦人科学会専門医。東京慈恵会医科大学卒業。都内総合病院産婦人科医長として妊婦健診はもちろん、分娩の対応や新生児の対応、切迫流早産の管理などにも従事。婦人科では子宮筋腫、卵巣嚢腫、内膜症、骨盤内感染症などの良性疾患から、子宮癌や卵巣癌の手術や化学療法(抗癌剤治療)も行っている。PMS(月経前症候群)や更年期障害などのホルモン系の診療なども幅広く診療している。

「加齢臭」とは?

加齢臭とは、皮脂腺から分泌される脂肪酸が酸化して発生する「ノネナール」という物質が原因で起こる中高年特有の体臭です。40代後半から50代以降に多く見られ、古本や油くさいような特有のにおいが特徴です。

女性で加齢臭がする原因

加齢臭の原因として重要な物質は、「ノネナール」という不飽和アルデヒドの一種です。

ノネナールの発生

中高年になると皮脂代謝の加齢変化により、パルミトレイン酸などが皮脂中に増加します。さらに、加齢により過酸化脂質も増えます。そして、皮脂表面でパルミトレイン酸など過酸化脂質と反応して酸化分解されるとノネナールが生成し、これが加齢臭の原因となると考えられます。

ホットフラッシュなどによる脇汗の増加

ホットフラッシュや寝汗による大量の発汗は脇の下の細菌を繁殖させ、体臭を強める原因となります。

テストステロン濃度の相対的な高まり

更年期にはエストロゲンの減少により、卵巣から少量分泌されるテストステロンの濃度が以前よりも相対的に高くなります。これにより、汗に細菌が集まりやすくなり、汗の臭いが強くなる可能性もあると考えられています。

女性ホルモンのバランス

加齢臭と直接関係があるわけではありませんが、女性ホルモンのバランスの変化が体臭の魅力度と関係している可能性があります。女性の体内のエストラジオールが高く、プロゲステロンが低いほど魅力的であると男性が判断した、という研究もあります。

自分の臭いに気づきにくくなる

閉経後には嗅覚障害をきたす方も多いという報告もあります。そのため、自分の体臭に気づきにくくなる方もいると考えられます。その結果として体臭がきつくなり、加齢臭対策を取りづらい場合もあるでしょう。

女性で加齢臭がする部位

女性に限らず、中高年の方の体幹部から加齢臭が匂ってくるケースがあります。

胸

胸や背中などの体幹部は皮脂腺が多く、分泌された皮脂が空気に触れて酸化し、加齢臭の原因物質(ノネナール)に変わります。また、女性特有の下着であるブラジャーやカップ付きインナーが密着するため湿気と温度が上がり、雑菌が繁殖して匂いが強くなる場合もあります。

背中

女性の背中は広範囲に皮脂腺があり、加齢臭の原因物質であるノネナールが発生しやすい部位といえます。手が届きにくく洗いにくいことや、衣類で蒸れやすいことから匂いがこもりやすく、寝具などに付着して発覚することも少なくありません。

脇

女性の脇は、皮脂腺とアポクリン汗腺が多く集中し、衣類で蒸れやすいため、加齢臭の原因物質であるノネナールや汗が混ざってにおいが発生しやすい部位です。
女性の脇の匂いは加齢変化のみでは説明できない点もあるという報告もみられ、今後の研究が望まれる分野でもあります。

頭皮

頭皮は体の中で皮脂腺が最も多い場所の一つであり、毛髪に覆われているため湿気や熱がこもりやすい環境です。加齢臭に加えて、日常的な体臭を生みやすい場所といえます。

足

足は汗腺(特にエクリン腺)が集中しており、靴や靴下で長時間密閉されるため、雑菌が繁殖しやすい条件が揃っています。そのため、足も加齢臭とは別に、体臭を生みやすい場所となります。

女性の加齢臭はどんな匂いがする?

加齢臭の主な原因物質とされるノネナールは、年齢とともに皮脂の性質が変化することで生じやすくなります。ただし、女性では更年期以降のホルモンバランスの変化や汗・皮脂の状態も影響するため、感じる臭いには個人差があります。

油臭い

加齢臭は、古くなった油のような脂っぽい臭いと表現されることがあります。皮脂が酸化してノネナールが発生することで生じると考えられており、首の後ろや耳の後ろ、背中など皮脂の分泌が多い部位で感じやすい傾向があります。

青臭い

加齢臭は、枯れ草や青葉のような青臭さを伴うこともあります。人によって感じ方は異なりますが、爽やかな植物の香りとは異なり、時間が経ったような独特の臭いとして認識されることが少なくありません。

古本のような臭い

古本や古紙のような臭いと表現されることもあります。ノネナール特有の臭いを分かりやすく例えた表現の一つで、衣類や寝具などに臭いが残ることで気付きやすくなる場合があります。

汗の臭い

汗そのものはほとんど無臭ですが、汗が皮膚の細菌によって分解されることで臭いが生じます。加齢臭と汗による臭いが重なると、体臭が以前より強くなったと感じることがあります。

つんとする臭い

更年期にはホルモンバランスの変化によって自律神経が乱れやすくなり、精神的なストレスも加わることがあります。
ストレスを強く感じる方の皮膚からは、つんとするネギのような臭いが発せられるという研究もあります。

女性の加齢臭のセルフチェック法

ここでは、女性の加齢臭に気づくためのセルフチェック法を紹介します。加齢臭は自分では気付きにくいことがあるため、衣類や寝具などを活用しながら確認すると判断しやすくなります。

衣類の臭いチェック

一日着用したシャツやインナーの首元・背中・脇の部分を確認してみましょう。洗濯前に油っぽい臭いや古本のような臭いを感じる場合は、加齢臭が付着している可能性があります。

枕カバーの確認

寝起きの枕カバーやシーツには、睡眠中に分泌された皮脂が付着しています。定期的に臭いを確認すると、変化に気付きやすくなります。

直接臭いを嗅ぐ

耳の後ろや首の後ろを清潔なガーゼやティッシュで軽く拭き、その臭いを確認する方法もあります。香水やボディクリームを使用していない状態で行うと分かりやすくなります。

ビニール袋の活用

脱いだ衣類をビニール袋に数時間入れた後に臭いを確認すると、体臭が分かりやすくなることがあります。換気の良い場所で確認すると臭いを判断しやすいでしょう。

体臭評価キットなどの活用

市販の体臭チェッカーや臭気測定サービスを利用する方法もあります。自分では判断が難しい場合の参考になりますが、気になる症状がある場合は医療機関への相談も検討しましょう。

女性の加齢臭はどんな対策をすればいい?

加齢臭は完全に防ぐことは難しいものの、皮脂や汗を適切にケアし、生活習慣を整えることで臭いを軽減できる可能性があります。ノネナールの生成を抑える、特有の臭いを目立たなくすることが対策の基本となります。

ボディーローションなどで皮膚の健康状態を保つ

皮膚の乾燥を防ぎ、健やかな皮膚環境を保つことが大切です。加齢臭対策を目的としたボディーローションや保湿剤を取り入れるのも一つの方法です。

加齢臭に対応したデオドラント製品を使う

加齢臭向けに開発されたボディソープやデオドラント製品を使用すると、臭いを抑える効果が期待できます。自分の肌質に合った製品を選びましょう。

余分な汗や皮脂を洗い流す

入浴時は首の後ろや耳の後ろ、背中など皮脂がたまりやすい部位をやさしく洗いましょう。ただし、洗いすぎは皮膚の乾燥を招くため注意が必要です。

外出先でもこまめに皮脂や汗を拭く

汗をかいたまま放置すると細菌が増殖し、臭いが強くなることがあります。汗拭きシートやタオルでこまめに拭き取る習慣をつけるとよいでしょう。

衣類や寝具を清潔に保つ

衣類や寝具には皮脂が蓄積しやすいため、こまめに洗濯し、洗いにくいコートやジャケットなどは定期的にクリーニングに出すことが大切です。

「女性の加齢臭」についてよくある質問

ここまで女性の加齢臭について紹介しました。ここでは「女性の加齢臭」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。

女性で加齢臭が出やすい人の特徴について教えてください。

阿部 一也(医師)

女性に限らず、中高年になると皮脂の代謝が変化し加齢臭の原因となるノネナールの元となるパルミトレイン酸や過酸化脂質が増加します。そのため、年齢そのものが、加齢臭が出やすい特徴といえるでしょう。

まとめ清潔なケアと生活習慣の見直しで加齢臭対策を

今回の記事では、女性の加齢臭について解説しました。対策としては、皮膚を清潔にしておくことや、デオドラント製品を使用することなどがあります。それでも気になる場合や、これまでとは違う異臭に気づいた場合には、医師に相談することも検討しましょう。

「女性の加齢臭」と関連する病気

「女性の加齢臭」と関連する病気は1個ほどあります。
各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

婦人科系

更年期障害

特定の病気が加齢臭の直接の原因になることは少ないですが、更年期障害などでホットフラッシュなどが強い方の場合、加齢臭に汗の匂いが加わるケースがあるかもしれません。

「女性の加齢臭」と関連する症状

「女性の加齢臭」と関連している、似ている症状は5個ほどあります。
各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。

関連する症状

ホットフラッシュ

自律神経の乱れ

のぼせ

発汗

イライラ

女性の加齢臭は、女性ホルモンのバランスの変化や自律神経の乱れが関わっていることがあります。そのため、のぼせ、発汗、イライラなどの更年期症状や、疲労感、肌のベタつきといった身体の変化と共に出る場合もあります。

参考文献

加齢臭をやっつけろ!!.応用物理 第83巻第1号(2014)

Why has my natural scent changed during perimenopause? - Harvard Health

Atalay F, Yavuz Z, Kars A, Yasar M. Is there a relationship between olfactory dysfunction and duration of menopause? Acta Otorhinolaryngol Ital. 2025 Oct;45(5):334-338.

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