生理とタイミングが重なりそうなときはどうすべき?「性感染症」を防ぐあの方法と注意点【医師監修】
生理中の性行為はよくないと聞いたことはあっても、一体なぜよくないのか、理由がわからないという人も多いはず。じつは、生理中の性行為には意外な危険が伴うのです。今回は、生理と性行為のタイミングが重なりそうな場合はどうすべきかについて、性感染症内科ペアライフクリニック横浜院の百束先生に詳しく教えてもらいました。
監修医師:
百束 全人(性感染症内科ペアライフクリニック横浜院)
日本医科大学医学部卒業。日本医科大学武蔵小杉病院泌尿器科、スクエアクリニック副院長、会津中央病院泌尿器科を経て現職。日本性感染症学会、日本感染症学会、日本エイズ学会。
編集部
生理と性行為のタイミングが重なりそうなときにできることはありますか?
百束先生
生理と性行為のタイミングが重なりそうなことが事前にわかる場合は、中用量ピルや低用量ピルを服用して生理日を移動させるのもよいかもしれません。ただし、体質や既往などによってピルを服用できないこともあるので、詳しくは婦人科の先生に相談しましょう。
編集部
生理を理由に性行為を断ると、パートナーとの関係性に影響が出そうで心配もあります。
百束先生
だからといって無理に応じてしまうと、嫌悪感や不信感が残ることも考えられます。身体的な準備が整っていないタイミングだからこそ、しっかりと意思表示をすることが大切です。性行為の有無に関わらず、互いに尊重し合う姿勢を大事にしましょう。
編集部
互いに尊重し合うことが大切なのですね。
百束先生
先述のとおり、生理中の性行為は性感染症のリスクを高める可能性があります。生理痛をひどくする危険もあり、女性にとって不利に働くことが少なくありません。パートナー同士でこのリスクを正しく理解し、無理のない選択をすることが大切です。可能であれば、生理中の性行為は避けたほうが安心。お互いの健康と信頼を大切にしましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
百束先生
生理中の性行為は、性感染症の観点からみても注意が必要です。生理血を血液の混ざった体液とみなすと、HIVやB型肝炎・C型肝炎などの血液感染症のリスクを高める要因にもなりますし、粘膜も敏感な状態にあるため、性感染症のリスクも平常時より上がります。また、腟から子宮・卵管や腹腔内に、子宮内膜や生理血を含むおりものが逆流しやすい時期であり、さまざまな産婦人科疾患を後遺症として引き起こしかねません。こうした背景から、生理中の性行為には通常より高い性感染症のリスクや子宮内膜炎・子宮内膜症のリスクなどが伴うことを、お互いが正しく理解することが大切です。リスクをしっかり認識して、できるかぎり避ける、あるいはコンドームの使用など適切な対策を取ることが推奨されます。
※この記事はメディカルドックにて<「生理中の性行為」がなぜダメなのかご存じですか? “知られざる危険性”を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

