維新から入閣の中司宏・規制改革相 談合事件でともに逮捕された元府議が「私は切り捨てられた」と告発 中司氏は事件で「経済的にも政治的にも利益を得ていない」と回答
高市早苗・首相の内閣改造は「実力重視の人選」などと報じられたものの、閣僚・党役員ともに主要メンバーは変わらず、小幅な人事となった。支持率は改造前よりやや上昇し、安定した政権運営につながりそうにも見えるが、さにあらず。今回の人事を機に、政権は内部にいくつもの"爆弾"を抱えることになったのだ。
なかでも注目されるのは、本格連立に踏み込んだ日本維新の会から初めて入閣した中司宏・行革相だ。維新の幹事長を務める中司氏は、市長、府議と政治経験が長い。
しかし、中司氏は枚方市長時代の2007年、市発注の清掃工場建設工事(55億6000万円)の入札をめぐる官製談合事件で大阪地検特捜部に逮捕(競売入札妨害罪)され、市長を辞職、最高裁で懲役1年6か月の有罪判決(執行猶予付き)が確定している。
大臣就任会見では過去の有罪判決確定を問われ、「裁判で一貫して無罪を主張してきており、私は道から外れることはしておりませんので、非常に残念で悔しかった」と語っている。
だが、この発言に怒りを示すのが、中司氏と同じ談合事件で実刑判決を受けた初田豊三郎・元府議だ。
「人の道に外れていないとは言えないでしょう」
裁判では中司氏や初田氏、大手ゼネコン大林組顧問らが共謀して市の工事で談合したと認定され、収賄罪でも有罪となった初田氏には大林組側から3000万円が渡ったことも明らかになっている。初田氏は本誌・週刊ポストの取材にこう語った。
「中司さんは裁判で私とあまり関係が親密でないといった話をして、『談合は知らなかった』という立場を貫きましたが、あれだけ一緒にやってきたのに……という思いです。私は切り捨てられた。そうしないと、中司さんは無罪の主張ができないからでしょう。それで私は有罪になったし、最終的に無罪になったが事件に巻き込まれた当時の副市長はじめ周りにも迷惑をかけてきた。それで人の道に外れていないとは言えないでしょう」
初田氏は2020年に自費出版した著書『理不尽』で自身から見た事件の経緯を詳細に綴っている。
「私はあの事件の真相、中司さんが何をやってきたかを明らかにしていくつもりです」
中司氏に見解を訊くと〈9月18日記者会見にて述べさせていただいております〉と文書で回答。初田氏の著書などでの主張に対しては、2010年の大阪高裁判決で、中司氏が経済的にも政治的にも利益を得ておらず、大林組から多額の金員を得た者らとの立場と異なる立場にあることや、〈「一般にいういわゆる官制談合とは趣を異にしているというべき」「入札に直結する特段の見返りがない」と認定されているとおりです〉(原文ママ)とした。
刑事事件で有罪が確定した経歴を持つ議員が入閣したのはロッキード事件有罪の佐藤孝行・総務庁長官(橋本龍太郎内閣)以来2人目。佐藤氏は批判を浴びてわずか12日で大臣辞任に追い込まれたが、今回はどうなるのか。
本誌・週刊ポスト9月28日発売号では、中司氏を含めた問題について、高市改造内閣「6つの爆弾」と題したレポートを掲載している。今回の内閣改造では、総裁選でライバルだった林芳正氏を閣僚から外し、7人が初入閣となった。その結末はどうなるか──。
