近所の家では駐車スペースが狭く、いつも車体の一部が歩道にはみ出しています。住人は「少しくらいなら平気」と話していますが、自宅の敷地に収まらない状態で駐車しても問題ないのでしょうか?

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住宅街では、自宅の駐車スペースから車の前後が歩道や道路にはみ出している光景を見かけることがあります。「数cm程度なら問題ない」と考える人もいるかもしれません。   しかし、自宅の駐車スペースであっても、車体を道路側にはみ出した状態で駐車してよいとは限りません。はみ出している場所や駐車の状況によっては、法律上の問題が生じる可能性があります。   今回は、自宅の敷地から車体の一部がはみ出した状態で駐車することにどのような問題があるのか、関連する法律や罰則とあわせて解説します。

車体の一部が歩道にはみ出した状態で駐車するのは問題になる? 車庫法のルールを確認

自宅の駐車場から車体の一部が歩道などへはみ出している場合、車の大部分が自分の敷地内に収まっていたとしても、法律上の問題が生じることがあります。
自動車の保管場所の確保等に関する法律、いわゆる「車庫法」では、自動車の保有者は道路上ではない場所に保管場所を確保しなければならないと定めています。また、同法第11条では、道路上の場所を自動車の保管場所として使用することを禁止しています。
さらに、警視庁によると、保管場所として認められるためには「自動車の全体を収容できること」などの要件を満たす必要があります。そのため、車を日常的に保管する場所には、車体全体が収まるスペースを確保する必要があります。
例えば、駐車場に自転車や荷物を置いたため、車が歩道側へはみ出している場合は注意が必要です。荷物を移動させるなどして、車体全体を敷地内に収められる状態にしましょう。

「少しだけなら大丈夫」という明確な基準はない

「10cm程度なら大丈夫」「タイヤが敷地内に入っていれば問題ない」と考える人もいるかもしれません。しかし、はみ出し駐車について「○cmまでなら問題ない」と一律に認める法律上の基準があるわけではありません。
特に歩道にはみ出している場合は、歩行者の通行を妨げるおそれがあります。大人なら簡単に避けられる程度でも、車いすやベビーカーを利用する人にとっては大きな障害になるかもしれません。車を避けるために歩行者が車道へ出れば、事故につながる危険性もあります。
また、はみ出した場所が交差点や横断歩道の近くなど、道路交通法で駐停車が禁止されている場所であれば、別の問題が生じる可能性もあります。そのため、「少ししかはみ出していないから大丈夫」と自己判断するのではなく、車体全体を敷地内に収めることが大切です。

道路を車の保管場所として使うと罰則を受ける可能性もある

前述の通り、車庫法第11条第1項では、道路上の場所を自動車の保管場所として使用することを禁止しています。また、道路上の同じ場所に12時間以上、夜間は8時間以上駐車することになる行為も、原則として禁止されています。
道路上を自動車の保管場所として使用し、第11条第1項に違反した場合、同法第17条により「3ヶ月以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」が科される可能性があります。また、12時間以上または夜間8時間以上という規定に違反した場合は、20万円以下の罰金の対象となる可能性があります。
ただし、車体が少し歩道にはみ出しただけで、必ずこれらの罰則が適用されるという意味ではありません。実際に法律違反となるかは、道路へのはみ出し方や駐車場所など、個別の状況によって異なります。
いずれにしても、「自宅の前だから自由に使える」と考えず、道路にはみ出さない状態で保管することが重要です。

車は自宅の敷地内に収まるように駐車しよう

自宅の駐車スペースから車体の一部が歩道や道路にはみ出した状態で日常的に駐車すると、車庫法などに抵触する可能性があります。「何cmまでなら大丈夫」という明確な線引きもないため、わずかなはみ出しだから問題ないと判断するのは避けましょう。
駐車スペースが狭い場合は、まず車庫内の荷物などを整理し、車全体を収められないか確認することが大切です。それでも収まらないのであれば、車のサイズに合った別の駐車場を確保する方法もあります。
また、車を購入・買い替えする際は、自宅の駐車スペースの奥行きや幅を測っておきましょう。車体全体が収まることを事前に確認しておけば、購入後にはみ出してしまう事態を防ぎやすくなります。
 

出典

e-Govポータル法令検索 自動車の保管場所の確保等に関する法律 (保管場所としての道路の使用の禁止等)第十一条、(罰則)第十七条
警視庁 保管場所(車庫)の要件と使用権原書面
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー