続投は決まったが…

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監督続投だが……

 広島東洋カープの新井貴浩監督(49)の続投が決まった。9月22日に松田元オーナー(75)が「来季もやってもらう」と明言したものだが、前日には3年連続Bクラスが確定。新井監督は辞任の意向を固めていたが、松田オーナーの慰留に、続投を決断したという。

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「元広島選手の羽月隆太郎氏(26)が1月下旬に“ゾンビたばこ”と呼ばれる指定薬物使用の疑いで逮捕されました。新井監督は2月のキャンプイン時に、この問題がさらに広がるようなら責任をとると明言しています」(スポーツ紙記者)

 低迷もあり、何度か辞任の意思を球団に伝えていたという新井監督だが、取材している記者によると、今季を最も象徴していたのが9月17日からの阪神タイガース3連戦だったという。初戦のマウンドを託された床田寛樹(31)は4回7失点と炎上してしまい、第2戦に先発した森下暢仁(29)は8回2失点と好投したが、打線が振るわなかった。第3戦は栗林良吏(30)の好投で一矢を報いて1勝2敗としたのだが、

「優勝戦線に絡む阪神は7連敗中で、広島との3連戦に臨みました。床田は17日の初回、佐藤輝明(27)、大山悠輔(31)に連続二塁打を浴び、適時打の欠乏症に苦しんでいた阪神打線を目覚めさせてしまいました」(同)

 首位・阪神との“実力差”と言ってしまうのは簡単だが、今季の広島は「さあ、これから」というときになると不運に見舞われてきた。チームに明るい話題が見つかっても、それを上回る衝撃的なグラウンド外のニュースが飛び込んでくる--その繰り返しだった。

 移動日だった9月16日、羽月氏にゾンビたばこを譲り渡すなど、医薬品医療機器法違反の罪に問われた滝口涼介被告(38)に拘禁刑2年、執行猶予4年(求刑拘禁刑2年)の判決が下された。同日には、静岡県での合同自主トレ中、食事の席で飲めない酒を飲まされた羽月氏に、ベテラン・菊池涼介(36)がライターで熱したフォークを押し当て“根性焼き”をしたとするニュースが「週刊文春電子版」で報じられた。

「16日のグラウンド内の様子ですが、マツダスタジアムでピッチャーの指名練習が行われ、翌日からの阪神3連戦に床田、森下、栗林の3人をぶつけることが分かりました。床田は前回9日の阪神戦で7勝目を挙げており、森下は復帰後6戦連続でQS(先発投手が6回強を投げ自責点3以下に抑える)を達成。栗林は阪神戦の防御率が0.87とバツグンの相性を見せています。今、カープが送り込めるベスト3の先発投手を並べました。3投手とも気合の入った練習をしていました。その矢先に飛び込んできたのが、このニュースです」(地元メディア関係者)

 3連戦を迎える前まで、広島の阪神との対戦成績は9勝9敗1分けだった。3連勝すれば22年以来、4年ぶりの勝ち越しも見えてくる。カープの選手の誰もが「阪神戦の勝ち越し」は意識していたという。

「阪神3連戦に入るまで、チームの雰囲気も上向きつつありました。14日の東京ヤクルト戦で先発の玉村昇悟(25)が5月21日以来となる2勝目を挙げ、15日の同カードでルーキーの勝田成(23)に頭部直撃のデッドボールを受け、一時はヒヤッとさせられましたが、16日には『大事には至らない。17日から試合にも復帰できる』との報告もされていました。その15日には辰見鴻之介(25)が代走でのシーズン26個目の盗塁を決め、NPB新記録を樹立しています」(前出・同)

 ルーキー・勝田が一軍登録されたままシーズンを完走できるか、そして辰見の新記録達成は数少ないチームの明るい材料でもあった。なのに、ゾンビたばこ裁判と新たな疑惑が出てまた重苦しい空気になってしまったのである。

続投は決まったが…

警察の捜査が……

 菊池に浮上した疑惑に対し、球団からは特段の反応はない。本人に確認はしているはずだが、ファンに向けての発表はない。これまでにも羽月氏の「広島のほかの選手もゾンビたばこをやっている」という発言や、その売人とされる人物と親しげにする写真が出たときも球団は「沈黙」を貫いた。菊池の疑惑についても、このまま時間だけが過ぎていくようだが、こんな声も出始めた。

「7月、広島県警から家宅捜索を受けた矢野雅哉(27)、前川誠太(23)は現在も三軍で調整中です。売人とされる人物とやはり親しくしていた小園海斗(26)も無期限での二軍調整が続いています。彼らの疑惑が晴れたとしても、このまま一軍に復帰させるのはどうなのか。きちんと禊を済ませてからにしないと、離れて行ったファンも返ってこないでしょう」(他球団スタッフ)

 菊池への疑惑が出た16日、都内のホテルで「プロ野球12球団オーナー会議」が行われた。その会議に出席した松田一宏オーナー代行は会議終了後、取材陣に囲まれた。羽月氏の逮捕から始まる一連の騒動について聞かれると、「分からない」と言わんばかりに首を小さく横に振っていた。しかし、違法薬物の売人とされる滝口被告が、同日の初公判で即日判決が出たことを伝えられ「これで区切りが……」とする記者団の問いに、

「警察の捜査がこれで完全に終了したという状況ではまだないと思う」

 と答えた。その「捜査が終了していない」との言葉に、家宅捜査を受けた矢野、前川の名前を重ねて聞き直すと、ひと呼吸を置いてからこう答えた。

「分からない。矢野選手と前川選手の(捜査の)結論が出ているのかもまだ……」

 両選手の潔白をファンも信じているが、事実上の謹慎を受けた以上、チームにどう復帰させるのかも球団は考えなければならないだろう。

「警察の捜査が続いたまま、シーズン終了を迎える可能性も高まってきました。そうなったときがいちばん難しいのです。矢野たちの契約更改をどうすればいいのか……」(前出・地元メディア関係者)

 さらに、シーズン終了と契約更改の間に「ドラフト会議」がある。スカウトの現場では一連の騒動による影響で「大切な教え子を、広島球団に送り出しても大丈夫なのか」とする高校野球指導者もいた。一方で、社会人野球の都市対抗大会(8月26日~9月6日)後、新たな情報も聞かれるようになった。

「都市対抗の出場常連チームでもあるパナソニック、セガサミーが今季限りでの活動終了を発表しています。選手の中には野球を優先して他の社会人チームへの移籍を模索する動きもありますが、社会人チームは高校、大学を卒業する若い選手を獲りたいので、すぐには決まらないようです」(アマチュア野球担当記者)

 また、社会人野球の試合をみているとよく分かるのだが、近年ではトレーニング内容が高まったため、30歳を過ぎてもスタメン出場している選手も増えており、選手寿命も長くなってきた。どの社会人チームにも会社の予算上の「定員枠」があるので、休部、廃部となるチームに好選手がいてもすぐには受け入れられないという。こうした状況を指して、

「もし、疑惑の選手をすべて切る……つまり契約解除ですが、そうなっても困らないように、広島は社会人選手を大量指名してくるのではないでしょうか。新井監督のもと、新たに生まれ変わったチームとしてアピールするには、それくらいの荒療治が必要かもしれません」(前出・同)

 との予想も聞かれるようになった。

注目はドラフト会議

 目下、12球団スカウトを悩ませているのが東京ガスのスラッガー・藤澤涼介(24)の評価だ。

 速い打球を放つ右打ちの外野手だが、他球団は年齢を見て「まだ伸びしろがあるのか」と最終判断を出し兼ねている。広島でも同じ外野手の平川蓮(22)よりも年上となるが、社会人選手は仕事と野球を両立してきた“オトナ”だ。先輩選手から夜のお誘いを受けても、群れない精神的な強さも持ち合わせている。

 行き場を失った社会人選手は「野球を続けられるのであれば」の思いでいっぱいであり、20代半ばから後半の社会人選手を集めればチームの雰囲気も好転するだろう。

 指揮官の続投は決まった。シーズン終了と契約更改の「間」に行われるドラフト会議で、広島のチーム再建案が明らかにされる。

デイリー新潮編集部