RKC高知放送

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土佐のfood記。今回は収穫の最盛期を迎えている高知の秋の味覚「新高梨」を紹介します。

高知の秋の味覚、新高梨。

梨の王様とも呼ばれ、大玉でシャキシャキとした食感と豊かな果汁、上品な甘さが魅力です。

県内の新高梨の一大産地、高知市針木地区では100年近く新高梨がつくられていて、糖度など厳しい基準をクリアしたものは「まるはり」というブランドで販売されています。

■樺山アナウンサー
「高知市針木地区にやってきました。こちらでは高知の秋の味覚、新高梨の収穫が始まったばかりです」

針木地区は昭和初期から新高梨を栽培する、高知を代表する産地です。

やってきたのは、「池澤やま信農園」です。

生産者の、池田和徳さんです。

なぜ針木では美味しい新高梨が育つ?

■池田さん
「針木は仁淀川がある。この山を越えたら仁淀川。仁淀川に霧がかかって、それと温度差がある」

針木地区では昼は太平洋からの暖かな風、夜は仁淀川からの涼しい風が吹き込み、その寒暖差で甘くおいしい新高梨を育つといわれています。

■樺山アナウンサー
「すごい 立派な新高梨が実ってますね」
■池田さん
「今年、この畑は大きいのができたと思う」

立派に実った新高梨。その重さは―

■池田さん
「1キロ200グラムくらいあると思う」
■樺山アナウンサー
「けっこうずっしり」
■池田さん
「お顔のところ持ってきて」
■樺山アナウンサー
「どうですか?さすがに顔の方が大きいような気がするけど、それでも並べてみたらすごい。大きさがよくわかる」

池田さんによると、大きいものは2キロを超えるそうです。まさに梨の王様です。

■樺山アナウンサー
「(果実を)新聞で覆っているんですね」
■池田さん
「虫とかが入らないように。それと焼けないように工夫している。良い梨を採るためにどうしたらいいかということを考えて。今の状態ではこれが一番簡単な方法ではないかと思う」

この夏の猛暑の影響はあったのでしょうか?

■池田さん
「ある 7月8月は暑かったから。ただ9月に入って雨が降っているので若干良いのではないかと思っている。園によって良いところもあれば、悪いところもある。良い方を願っている」

2026年も例年通りの9月20日ごろから収穫が始まりました。

■池田さん
「とってみます?」
■樺山アナウンサー
「私が良いんですか?」
■池田さん
「ちょっと回してもらったらいい」
■樺山アナウンサー
「大丈夫かな こんな感じですか?」
■池田さん
「上を持ってぐるっと回す」
■樺山アナウンサー
「採れた!すごい結構簡単に採ることができた」
■池田さん
「毎日毎日、朝から晩までとると疲れる」

丹精込めて育てられた新高梨。とれたてをいただきました。

■樺山アナウンサー
「甘い!!こんなに甘いと思わなかった」
■池田さん
「(針木の)新高梨は糖度が12.5度以上じゃないとブランド化できないので、これは絶対美味しい」
■樺山アナウンサー
「こんなにみずみずしくて美味しい梨食べたことない」

また、池澤やま信農園では新高梨のパウンドケーキやシフォンケーキを販売しています。

■池田さんの妻・美代さん
「このパウンドケーキには新高梨が約1個分入っている。傷んだ、普通に食べたらだめだという梨をジャムにして練りこんだケーキ」
■樺山アナウンサー
「しっとりとしたきめ細かい生地と新高梨の優しい甘さが相性抜群、しっかりと果肉のシャリシャリ感も感じられる。素朴な味わいでいくらでも食べられそう」

ではここでクイズです!新高梨で一番甘い部分はどこでしょう?

①上側
②真ん中
③下側

<正解>正解は ③の下側!

梨は下の部分に糖分が集まりやすいといわれています。そのため、おしりの部分がより甘く感じられるということです。

そして今、新高梨を活かした新たな挑戦も始まっています。

香りを引き出すのが難しいとされる新高梨を使ったクラフトジン・「マキノ新高梨ジン」が8月、発売されました。

開発者の塩田貴志さんです。

塩田さん自身が高知大学大学院で2年にわたって研究を重ね、生まれたのが、新高梨の香りを楽しめるこの一本です。

■試飲
「はじめジンの大人っぽい味わいが口の中に飛び込んできたが、その後新高梨のみずみずしい香りと風味が口いっぱい広がった」
「味の変化も飲んでいて楽しいですね」

新高梨の産地として次の100年に向けての針木地区の挑戦も始まっています。

2026年7月、生産者が集まって「まるはり農園株式会社」を設立しました。

メンバーは40代から70代までの6人。これまで個別に経営していた農園を1つに集約し、資金を出し合いながら新たな圃場づくりに取り組んでいきます。

■まるはり農園株式会社 栽培技術担当 石黒文雄さん
「なかなか最近の暖冬とか、木の老木化の影響で新高梨自体が作れなくなっている中で残していきたい。次の世代も新高梨を作っていけたらなという思いで、なんとか実現していくために会社を設立した」

設立の背景にあるのは温暖化の影響などによる収穫量の減少です。

今後は、暑さに強い「ジョイント栽培」の導入などを進める計画で、2026年の収穫が終わる11月以降、農地を整備し直し新たな苗木の植え付けを始める予定です。

新高梨は地域にとってどんな存在?
■池田さん
「針木の宝物。針木の新高梨だけでなく高知県の新高梨は宝」
「自分の子どもを育てているように、みなさんに美味しい新高梨を食べてほしい一心で毎日、一年間、作業して。温暖化で厳しい面もあるが、生産者は色んな工夫をして作っているので、いい新高梨が出来上がっている。ぜひ食べて」

100年近く受け継がれてきた、針木の新高梨づくり。

生産者たちは暑さや自然環境の変化と向き合いながら生産を続けています。

針木の新高梨の大きな実には、産地を未来へつなごうとする人たちの思いが詰まっています。