『麺屋 いしヰ 銀座店』博多明太ぶっかけうどん 1350円 コクや甘み、香り、食感が複雑に絡み合う。全部を豪快に混ぜて召し上がれ

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麺は麺でも今回の特集テーマは暑い季節にこそ食べたくなるぶっかけと冷やかけ。うどんを担当したライター菜々山&編集戎、蕎麦担当のライター岡本&井島&肥田木がそれぞれの推し麺についてアツ~く討論。バトルの行方はいかに?

今食べるべき麺はうどんか蕎麦か!?

肥「しかし今夏もまだまだ暑い日が続くね。食べることで体温が上がるのを抑えたい、何なら食べなくてもいい!と言いながらリサーチ前に唐揚げ食べてる誰かさんもいたよ。今ここにいない編集武内という人なんだけどね(笑)」

岡「ひえ~、しかも揚げ物(笑)。でも食欲が落ちるのはわかる。そんな時に冷たい麺企画はピッタリだね。ちなみに私は圧倒的に蕎麦好き。そして冷やかけ派」

井「私も!いつもはせいろ一択だったけど、夏は冷やかけが面白いと目覚めた。調べてみたら、イタリアン系とか中華の担々系とか組み合わせもいろいろだった」

菜「いーや、どんな食材も迎え入れてくれる懐深き存在はやっぱりぶっかけうどんだよ。ぶっちゃけ、キムチ、納豆、野菜類、肉類、味の強いもの、おだやかなもの……何でも合っちゃう。さすがに蕎麦にキムチは合わないでしょ」

『麺屋 いしヰ 銀座店』博多明太ぶっかけうどん1350円

『麺屋 いしヰ 銀座店』博多明太ぶっかけうどん 1350円 コクや甘み、香り、食感が複雑に絡み合う。全部を豪快に混ぜて召し上がれ

肥「でもさ、見た目からして蕎麦の方が清涼感あるよ。しかもヘルシーだし。それにうどんはそれ目的で食べるだけの人も多い印象だけど、何てったって蕎麦屋で欠かせない楽しみはお酒よ、お酒。つまみもおいしい店が多いし、いろいろつまんで〆に蕎麦という最高の食文化があるもん♪」

戎「早くもバトル勃発(笑)。どちらも基本は麺とツユのシンプルな構成だからこそ、それぞれのおいしさをダイレクトに感じられるんですよね。とはいえ僕は関西出身、編集部イチのうどん好き!」

肥「お、出ました、”おと週うどん党”の党首(笑)。党首はぶっかけ派?冷やかけ派?」

戎「実は僕のうどん好きはぶっかけから始まったんですが、ある時から冷やかけ派になりまして。そのきっかけが『いわしや』。兵庫県西宮市が本店で、大阪在住時代に食べて衝撃を受けたんです。イリコがガツンと効いたツユにコシのあるうどん、その調和が見事。それ以来、冷やかけの虜に。今回は東京進出した店を推薦したら編集部も大絶賛!」

菜「うん、私が取材した冷やかけの中でもピカイチだったわ。本場に負けない一級品が駅直結で食べられるなんてまさに衝撃!」

肥「党首、推薦店の当選=掲載獲得おめでとうございます(笑)」

戎「心でガッツポーズでございます。でも今回はうどんイップスに入ったんですよね。何かこう、おいしさがわからなくなって、しっくりこないというか……」

菜「そうそう、うどんは何でも合うとさっき話したけど、だからこそぶっかけは店選びが難しかった。ただ単に彩りよく乗せました的なものだと、やっぱり一歩足りない。なぜこの麺とツユにその具材を組み合わせたのか、という必然性や味と食感の構成力を感じられるものでなければダメだと思うの」

岡「それは蕎麦党冷やかけ派の私も同感。味のバランスは大事」

菜「まずくはないけど”う~ん”と思う店も多くて、かなりリサーチ数をこなして見つけた店が今回の掲載店。経費を無駄に使ってごめんよヒロシ(注:編集長)」

戎「うどん全体のトレンドだと感じたのはもっちり感の強い麺。昨今のもっちりブームに乗ってか、新店もそれが多い印象でした。異彩を放っていたのが『中村にぼし』。平打ちですが厚みがあり、つるっとした麺肌でもちもち。今回はぶっかけページで紹介しましたが、冷やかけメニュー『おろしひやかけ』もヒット。ダシ氷が入っていて清涼感アリ!」

菜「ぶっかけで私の推しは『麹町おうどん開』の『和牛ぶっかけうどん』かな。和牛を使っているから、って理由だけじゃない。じっくり火入れしたふわふわの肉を麺と一緒にすすると、繊維がほどけるように麺と馴染む。そこへ和牛の甘みと香りが追いかけてきてツユとこの上ない相性なの」

やっぱり名店は偉大なる旨さだった!

戎「僕のイップスが解消されたのは名店の味、それもやはり冷やかけでした。『蔵之介』はぶっかけが人気ですが、夏季限定で冷やかけを出してるんです。つるっとした麺は噛むともっちり、イリコの効いたツユ。うーん、これぞ讃岐。やはり冷やかけは讃岐うどんが似合うんですよねぇ」

井「蕎麦も名店で驚く味があったんだから!『更科堀井』の『冷やし鶏そば』。ドライトマトを煮出した鶏ダシスープで、蕎麦ツユが入ってないの。蕎麦はレモン切り。今まで”蕎麦はこうあるべき”みたいなものがある気がしていたけど、老舗がこういう遊び心のある味を作ってくれると、もっと自由でいいんだと思えた」

岡「私が今回の取材でへぇ~と思ったのは、温かいかけ用のツユをそのまま冷やかけに使う店が多いということ。やっぱり名店はツユの完成度が高いから、冷やかけにしてもおいしいんだと納得。そもそも冷やかけの醍醐味って、蕎麦のおいしさはもとよりダシがポイントだと思うのよ。『じゆうさん』とか、飲み干したくなるツユを作れるお蕎麦屋さんはリスペクトだわ。ぶっかけよりもシンプルで洗練されている具が多いということも私の好みなのかも」

『蕎麦処・酒場 大吉田』元祖冷かけ550円

『蕎麦処・酒場 大吉田』元祖冷かけ 550円 冷かけ発祥とされるのは秋田・西馬音内地区の「西馬音内そば」。布海苔をつなぎに使う。天ぷらは大きな春菊が人気

肥「いやいや、同じ蕎麦党から言わせてもらうとぶっかけだって負けないよ。『銀杏』の『銀涼そば』は運ばれてきた瞬間に思わず歓声。揚げもちやおかかなど具材は多彩だけど品があるんだよね。ぶっかけって具を全部混ぜて食べる楽しさもあるし、それによって味わいが変化する面白さもある。やっぱりぶっかけだよ」

井「でもツユもアレンジできるのは冷やかけじゃない?『手打そば さかき』の『フルーツトマトと海老の冷やしそば』がそう。蕎麦ツユとトマトを限界まで主張させながら調和させるという、どちらも妥協しない味がいい」

菜「誌面見ると真っ赤だね!」

井「でしょ、『邪道だからと絶対食べないと言う人もいるんです』と店主は言ってたけど、ちゃんと蕎麦ツユの味だし、フレッシュなトマトの甘酸っぱさもある。店主の挑戦に拍手を送りたい!」

肥「蕎麦の冷やかけやぶっかけは旬の食材や夏限定が多いからこそ店主の遊び心や今しか味わえない風情を感じるんだよね。『いさ美庵』の夏の味『冷やし茄子そば』も素朴な旨さにシビれたなー。時季を待ちわびる人もいるんだって。うどんとはまた違う魅力。どーよ、うどん党の党首」

『そばと酒 えもり』揚げなすの冷やし蕎麦1400円

『そばと酒 えもり』揚げなすの冷やし蕎麦 1400円 ※9月末頃まで ダシで炊いた長なすはとろっとした食感。蕎麦の実は現在群馬産を使うことが多く、石臼挽きの丸抜きを微粉で打つ。大葉やみょうがなどの薬味がいいアクセント

戎「店主の遊び心ならうどんも同じです!とにかく麺の圧倒的な個性、ツユの奥深さ。新店から名店まで食べ歩いて、そのバランスの良さに感服しました。コシ強好きとしては、その最高峰”富士吉田うどん”を提供する『五葵』は必食。とてつもない剛麺、小麦の香りを噛み締めてほしい。店主曰く『地元のそれよりもコシがある』とか。ぜひ食べてみてください。あぁ、うどん最高!」

『手打うどん いわしや 青山一丁目店』ひやかけ750円

『手打うどん いわしや 青山一丁目店』ひやかけ 750円 煮干しと昆布を主体にしたダシは薄口醤油のカエシを合わせ、舌に染みるおだやかな味わい。キメ細やかな麺肌のツルみとコシも堪能しよう

岡「へえ、うどんもいいね。無性に食べたくなってきたわぁ」

菜「私は今日、蕎麦屋で飲む」

井&肥「皆ではしごする?」

戎「両党各派の討論も平和にまとまったようで(笑)。まだまだ残暑が厳しい季節、読者のみなさんはどちらの涼味を楽しみますか?」

文/肥田木奈々、撮影/西崎進也(えもり)、小島昇(いしヰ)、大吉田(小澤晶子)

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※画像ギャラリーでは、座談会でピックアップされた絶品うどん・蕎麦の画像をご覧いただけます。

※月刊情報誌『おとなの週末』2026年9月号発売時点の情報です。

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