選手たちの食事は「劣悪」 タイ選手団団長が母国メディアに訴えた過酷な環境「全員に同等のサービスを提供することは不可能だ」【アジア大会】

32年ぶりの日本開催となったアジア大会だが、開幕後もトラブルは尽きない(C)Getty Images
9月19日にいよいよ開会式が行われた愛知・名古屋アジア大会では、選手たちの不安、そして不満が募る状況が続いている。
本格的な大会の幕開けを前に運営面でのトラブルが相次いで起きている。とりわけ問題視されているのは、各国選手や関係者が生活拠点とする宿泊施設の受け入れ態勢の不備。すでに複数の海外チームから苦情が多数寄せられていることが分かっている。
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そもそも想定外の事態が起きている中での開幕だった。当初の大会組織委員会は名古屋競馬場の跡地(名古屋市港区)に約1万5000人が利用可能となる選手村を建設する算段を立てていた。しかし、建設資材の高騰によって建築費用が上がったために方針転換。既存のホテルに加え、大型クルーズ船、コンテナ型の仮設宿泊施設などに分散させる方式を採用した。
しかし、結果的に分散型が裏目に出た。8月中旬にアジアオリンピック評議会(OCA)が新たに2競技の追加したことで、当初の想定を上回る1万7000人の選手と関係者が参加することが決まると現場は混乱。宿泊者の情報共有はさることながら、十分な宿泊場所の確保、さらには食事のケアなどに不備が生じる事態となった。
入国した選手たちが中部国際空港内で長時間にわたって待ちぼうけとなる事態も起きている。いわば異国での競技に挑む各国選手団からすれば、コンディション不良に繋がりかねない状況である。それだけに現状に対する参加国からの不満は収まる気配がない。
タイのニュースサイト『Khaosod』は一連の騒動について「アジア大会に大混乱が生じている。タイの代表選手たちも十分な休息を取ることができず、さらに食事も劣悪な状況に置かれている」と言及。その上で、選手団団長を務めるアピワット・スリヴァンダナ氏による証言を伝えた。
「タイだけでなく、多くのアジア諸国が問題を抱えている。例えば、ホテルに宿泊している選手たちは食事について不満を漏らしている。というのも、多くのホテルがアジア大会の運営側と連携していないため、食事の量が不足し、種類も少ない。ベジタリアン向けの選択肢も不足している。つまり選手たちに適切なケアが提供されていないのだ」
さらに宿泊拠点が3つに分散される異例の方針について「宿泊施設の水準にばらつきが生じるのは当然だ」と断じたスリヴァンダナ氏は、「今大会は全員に同じレベルのサービスを提供することは不可能だ」と続けた。
「選手たちをできる限りサポートするために、我々が交通手段、洗濯、朝食、昼食、夕食の手配といった既存のサービスを補完する必要が出てきている。しかし、全員に対して、均等にサポートができないことを認めざるを得ない。選手たちには何とか理解はしてもらい、協力的に取り組んでもらえている」
32年ぶりに日本開催が実現した「アジア版オリンピック」だが、その前途は多難だ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]

