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アメリカ仕様『ローグ』と日本仕様『エクストレイル』の違い

昨年8月、日産は『エクストレイル』をマイナーチェンジ。ロッククリークやオーテック、ニスモなどのバリエーションを順次展開した。そこで今回は基準車とロッククリークに的を絞り、そのデザインについてデザイナーに語ってもらった。

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エクストレイルはグローバルで展開している日産の基幹車種のひとつで、アメリカでは『ローグ』として販売している。その違いはパワートレインで、日本仕様はeパワーのみとなるが、アメリカ仕様にeパワーは用意されない。


昨年8月、日産は『エクストレイル』をマイナーチェンジ。写真のロッククリークを追加した。    日産自動車

それ以外は、「ファッション的なカラーコーディネーションなどで差別化してます」と話すのは、日産グローバルデザイン本部の入江慎一郎さんだ。

グリルの形は一緒ながらアメリカ仕様は、「クロームが入っていますが、日本仕様は全て真っ黒にして余計な装飾を一切省いています。これはデコラティブな要素を排除してシンプルにしていくという考えです」と説明する。

今回の改良ではデイタイムランニングライトを追加したほか、ターンランプをLED化するなど手が入れられた。そして改良前と最も違うこととして、入江さんはロッククリークの投入を挙げる。

「現行モデルをローンチした際、『上質×タフギア』というテーマでしたが、若干その上質さが、特に日本市場では足りないという声があったんです」

これはエクストレイル1台で他メーカーの上級車とも戦っていかなければならない背景があり、そういった指摘が出てしまったのだ。

「基準車や他のバリエーションで上質方向を強化する代わりに、ロッククリークでタフギアの方を押さえようとしています。そこが今回のマイナーチェンジにおける大きなディレクションの違いです」

生活の一部としてガンガン使えるクルマ

ロッククリークのイメージのベースになっているのは、アメリカで販売されているハードな走りを想起させる4WDのトラック系。例えば『日産フロンティア』のように、グリル上方にスリーホールがついているなどだ。

「こういうアセットを使うことで、日産が持っているアウトドアデザインの印象を踏襲し、そのラインナップの一員であることを訴求していく狙いがあります」


自身もエクストレイル・オーナーである日産グローバルデザイン本部の入江慎一郎さん。    内田俊一

オレンジのアクセントカラーを入れたのも同様の狙いで、「これはマグマの色からインスピレーションを受けたもので、だから、ちょっと赤みの強いオレンジになっているんです」と説明。入江さんがさらに続ける。

「『上質×タフギア』に上質さをもう少し加えましたが、自分の中でのエクストレイルは、初代のCMのように水に濡れたサーフボードをそのまま積むなど、生活の一部として気にせずガンガン使えるクルマというイメージなんです。それをこのロッククリークを通じて復活させたいという思いがありました。

確かにeパワーとの相性で考えると、静かでコンフォートな走りは上質さに繋がります。しかし初代の印象が強いユーザーからすると、高級車だから気を使って汚しちゃいけないみたいで、ちょっと物足りないんですね。

そこでロッククリークは、気兼ねなく使える汚れが似合うクルマにしたいと思いました。ホイールもそれほど大きいインチではなくリム幅のあるものとし、グリルのアッパー部分も大開口に見えるようなカラーに変えるなどして、よりワイドでタフに見える設えをしています」

上質さをどう表現するか

一方、上質さを求めた基準車に関してはどうだろうか。

「ローグと同時開発していますので、違和感なくどちらもデザイン出来ています。ローグは、クロームを使った加飾で上質さを表現しました。日本では、一切無駄を省いた中に仕立ての良さからくる上質さを感じることがありますので、余計なものを一切なくしました。


日本はごまかしの効かない素地で勝負しているという、基準車のエクストレイル。    日産自動車

仕向け地ごとのお客様が感じる違いを踏まえ、アメリカはコンサバなのでクロームを使った上質さで、日本は加飾ではなくごまかしの効かない素地で勝負しています」

さて、日産デザインでは『タイムレスジャパニーズフューチャリズム』、すなわち日本独自のデザイン様式を取り入れている。例えばルークスの2トーンカラーをサイドから見ると、その塗り分けは唐破風(からはふ)をイメージしたものとなっている。では、エクストレイルはどうか。

「グリルのパターンは組子をイメージしています。そしてロッククリークのグリルですが、裏コンセプトは鳥居の構えなんです。上が横に長くて、下が短いでしょう」

現行エクストレイルが発売された時に、初代や2代目と比較し随分と上品になったと感じたが、やはりそう思った人が多かったようだ。実は入江さん、現行型改良前のエクストレイル・ユーザーでもあり、思い入れが強い様子。

特に初代や2代目のイメージを的確にとらえ、そこから生まれたロッククリークのデザインは、それらのユーザーへ見事に刺さる仕上がりと言えそうだ。