工藤会跡地に完成「希望のまち」ここからつながる 北九州市
北九州市で生活困窮者を支援するNPO法人、抱樸(ほうぼく)が建設を進めてきた福祉施設「希望のまち」が完成し、オープンに向けた準備が進められています。
新たな拠点に込められたのは、“何よりもつながりが大事”という思いです。
9月17日に内覧会が開かれた、北九州市小倉北区の「希望のまち」。
大きなガラス張りの引き戸が特徴です。
3階建ての複合型福祉施設で、広々とした1階部分は誰もが利用できる多目的ホールとなっています。
2階と3階は、生活保護法で定められた救護施設です。50人ほどが入居でき、障害や介護の認定、医師の診断書などは必要ありません。
生活に困窮する人などが、一時的にここで暮らすことができます。
■白野寛太記者
「中庭を囲むように個室が並んでいます。こちらでは、入居者や地域住民が交流できるようになっています。」
「希望のまち」のプロジェクトを進めてきたのは、北九州市で活動するNPO法人「抱樸」です。
理事長の奥田知志さん(63)は、これまで30年以上にわたり、路上生活者などの困窮者に手を差し伸べてきました。
食事や衣類の提供、住まいの確保に向けた援助などを通じて自立を手助けした人たちはおよそ4000人に上ります。
■奥田理事長(2007年)
「人なんですよね。結局はモノじゃなくて人なんですよ」
活動を続ける中で気づき、大切にしてきた思いがあります。
■奥田理事長
「もともと他人だけど、ここで顔を合わせたり、名前で呼び合っている人たちもいますから。何よりもつながりが大事なんです。」
抱樸は2019年、北九州市の特定危険指定暴力団、工藤会の本部事務所があった土地を取得しました。
ここで始まったのが「希望のまち」づくりです。
人と人がつながり続ける場所を作りたいと、地域の賛同を得ながらプロジェクトを進めてきました。
■奥田理事長
「つながりは、圧倒的に量が問題です。いろんな人が包み込むようにやっていく方が強いです。今度は個別の支援だけじゃなくて、まちづくりです。どういうまちがあるべきなのか、これから本格的に挑戦する。」
コロナ禍や物価高騰などのあおりを受け、計画に遅れが出ましたが、全国からおよそ5億円の支援が寄せられ、7年越しにようやく施設が完成しました。
大人も子どもも、障害があっても、生活に困っていても。
誰もが自由に出入りして、人とつながれる「希望のまち」。
ことし12月にグランドオープンし、門出を迎える予定です。
■奥田理事長
「ようやくスタート地点です。ゴールではなくて、まちづくりの入り口にやっと立てた。今の大きな課題は食べられるか、食べられないかだけではなくて、 誰と食べるか。ここが人間にとって一番大事なところなんです。ここがつながりの一つのハブみたいになって、ここで生まれたつながりが地域にどんどん広まっていく、そんなイメージで考えています。」
※FBS福岡放送めんたいワイド2026年9月17日午後5時すぎ放送
