ジャパネットホールディングスの高田旭人社長と父で元社長の高田明氏

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 テレビの通販番組でおなじみの「ジャパネットたかた」は、グループ内にクルーズ会社やサッカーチームを抱え、総売り上げで3000億円に達する。

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 その親会社・ジャパネットホールディングスが、新潟県燕市の家電メーカー「ツインバード」に対する買収提案を取り下げると発表したのは9月2日のこと。M&Aを持ちかけておきながら、撤退するのはどういう事情なのか。

 経済紙のデスクが解説する。

「ジャパネットは、かねてから他社の家電を売るだけではなく、メーカー機能を持ちたいと志向していました。その方が商品開発のスピードが速いしオリジナル家電も作れる。実際、今年7月には国内のメーカーと組んでプライベートブランドも立ち上げています」

ジャパネットホールディングスの高田旭人社長と父で元社長の高田明氏

 そこで、ジャパネットが目を付けたのがツインバードだった。

子会社化を拒否

 ツインバードの売り上げは約90億円。トースターや冷蔵庫、洗濯機などを国内で作っているが、中国製に押されてここ2年は最終赤字だ。

「ツインバードの時価総額は70億円程度と、傘下に入れるにはちょういい大きさの会社でもありました。そこでジャパネットは今年2月上旬から、ツインバードに対し、業務提携も含めた子会社化を持ちかけていたのです」(前出のデスク)

 だが、ツインバード側はこれを拒否。それでも5月に入ってジャパネット側が正式にTOB(株式公開買付)の意向を表明する。ただし、ツインバード経営陣の賛同を得ることが条件だ。ジャパネットは買収額を1株800円とし、併せて同社にコーヒーメーカーなど、30億円規模の発注を行うことも表明しており、いうなれば“お土産付き”のM&Aである。

「ところが、ツインバード側はジャパネットと競合している家電量販店との取引が縮小する可能性があるとして、8月31日に正式に反対を表明したのです」(同)

別の投資家の“参戦”が明らかに

 ここまで嫌われては無理強いできない。ツインバードに聞くと、M&Aへの反対は特別委員会の答申を得て決めたものであるとし、

「特別委員会の答申内容を踏まえて、業務執行等に携わる取締役を含めた取締役会が決定を行うというプロセスは、公平かつ合理的なものであったと考えております」(経営企画部)

 結果、M&Aの取り下げとなったのだが、ここで終わりではない。

 この騒動では別の投資家の“参戦”が明らかとなり、株価は値幅の大きい展開が続いている。連続赤字のツインバードは独立経営を選択したわけだが、地元のメディアからは「独力でどうユーザーを拡大してゆくのか」と疑問を呈されており、すんなり幕引きとはいかないかもしれないのだ。

「週刊新潮」2026年9月17日号 掲載