宇宙開発の分野ではSpaceXやBlue Originの名が連日のように取り沙汰され、衛星や有人飛行のニュースが後を絶たない。一方で、身近であるはずの地球の海の底については、いまだにその全体像すらつかめていないという現実がある。なぜ宇宙にはこれほど資金と技術が集まるのに、海底の探査はここまで停滞しているのか。実業家のマイキー佐野氏は、その理由を大きく三つの観点から読み解いていく。
 
まず立ちはだかるのが地形把握の難しさだ。深海では光や電波が吸収されてしまうため、衛星からの直接観測が使えない。頼りになるのは音波を使った測量技術だが、その進み方は驚くほど遅く、広大な海全体を網羅するには膨大な時間と費用がかかる。結果として、現在判明している海底地形はごく一部にとどまり、大半が未解明のまま残されているという。海中では電波も届きにくく、位置の把握にも独自の工夫が求められている。
 
次に横たわるのが水圧という物理的な壁である。深くなるほど圧力は跳ね上がり、深海の底で船体が受ける力は想像を超えるほどだ。佐野氏は、真空を前提に内側から外へ膨張する宇宙服と、外部からの圧力に耐える潜水船の構造を比べ、両者が設計思想として正反対であると説明する。さらに、極限の水圧のなかで生き抜く深海生物がなぜ潰れずにいられるのかという素朴な疑問にも触れ、その体の構造や低温がもたらす独特な生存戦略についても言及していく。
 
そして最後に佐野氏が挙げるのが、経済的な合理性の低さだ。宇宙開発には通信や観測といった商業利用が確立されている一方、深海探査は投資の回収が見えにくく、民間資本が集まりにくい構造がある。地政学的な競争の物語を作りやすかった宇宙開発と異なり、海の底での成果は見えにくいという事情も一因だ。海底に眠る資源をめぐっては、採掘が生態系に与える影響を懸念する声も根強い。
 
地形、水圧、経済という三つの視点が絡み合うなかで、深海という未知の領域が今後どのような姿を見せていくのか、その先にある論点にも関心が集まっている。海洋資源や環境問題に関心を持つ人にとって、身近な地球にもこれほど多くの謎が残されているという発見につながる内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営